帽 - 漢字私註
康煕字典
- 部・劃數
- 巾部・九劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤莫報切、音𧛕。『釋名』冒也。『說文』本作冃。《徐鉉曰》今作帽。帽名猶冠。義取蒙覆其首、本纚也。古者冠無帽、冠下有纚、以繒爲之。後人因之帽於冠、或裁纚爲帽。自乗輿宴居、下至庶人無爵者、皆服之。江左時、野人已著帽、人士亦往往而見、但無頂圈矣、後乃高其屋云。『隋書・禮儀志』帽、自天子下及庶人通冠之、以白紗者名高頂帽。又有繒皂雜紗爲之、高屋下裙、蓋無定準。『唐書・車服志』烏紗帽者、視事及燕見賔客之服也。
又通作冒。『史記・絳侯世家』薄太后以冒絮提文帝。《註》應劭曰、陌額絮也。晉灼曰、巴蜀異物志謂、頭上巾爲冒絮。
- 部・劃數
- 衣部・九劃
『集韻』莫報切、音帽。『玉篇』小兒頭衣也。
異體字
『廣韻』『集韻』所載。
音訓義
- 音
- ボウ(漢) モウ(呉)⦅一⦆
- 官話
- mào⦅一⦆
- 粤語
- mou6⦅一⦆
- mou2⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・号・冃』莫報切
- 『集韻・去聲下・号第三十七・冃』莫報切
- 『五音集韻・去聲卷第十一・号第十四・明一冃』莫報切
- 聲母
- 明(重脣音・次濁)
- 等呼
- 一
- 官話
- mào
- 粤語
- mou6
- mou2(白讀)
- 日本語音
- ボウ(漢)
- モウ(呉)
- 義
- 被り物。帽子。冃に同じ。
- 釋
- 『廣韻』
帽: 頭帽。
- 『集韻』
冃𧛕帽: 莫報切。『說文』「小皃蠻夷頭衣也。从冂。二其飾也。」或作𧛕、亦从巾。文三十三。
解字
白川
形聲。冒聲。冒は目深く帽を戴く形で、帽の初文。
『釋名・釋首飾』に帽、冒也。
(帽は冒なり)、『玉篇』に頭帽なり
とあり、頭に被るもの。
冃はその頭衣、頭巾の象。目を加へて冒となり、巾を加へて帽となる。
支那では、古くは貴人の前では頭頂を顯はすことはなかつた。
藤堂
巾(布)と音符冒の會意兼形聲。冒は、目と音符冃(被せる印)の會意兼形聲字で、目に覆ひを被せることを示す。帽は、被せ布のこと。頭を覆ひ隱す被り物の意に用ゐる。
漢字多功能字庫
巾に從ひ冒聲。もと冒に作り、後に意符の巾を加へて帽となす。本義は帽子。『釋名・釋首飾』帽、冒也。
- 『文選・張平子・西京賦』
戴翠帽、倚金較。
「較」は車箱を指す。 - 『宋書・五行志』
魏明帝著繡帽、被縹紈半袖、嘗以見直臣楊阜。
帽や冠の本義はいづれも頭衣(帽子)。古書にも連用する例がある。
- 『晉書・謝萬傳』
嘗與蔡系送客於征虜亭、與蔡爭言、系推萬落床、冠帽傾脫。
しかし冠は主には士大夫以上の階層の頭衣を指す。『釋名・釋首飾』二十成人、士冠、庶人巾、當自謹修於四教也。
古代には男子は二十歲で加冠し、成人を表し、故に古代の成人の禮をまた冠禮と稱する。冠と禮儀は密接に關係する。『禮記・冠義』冠者、禮之始也。
そして帽は多く日常的な帽子を指し、上下尊卑や禮儀の色彩は無い(參: 黃金貴)。
屬性
- 帽
- U+5E3D
- JIS: 1-43-25
- 當用漢字・常用漢字
- 𧛕
- U+276D5