説文解字私註 月部

月部

月 闕也。大陰之精。象形。凡月之屬皆从月。
月一日始蘇也。从月屰聲。
月未盛之明。从月、出。『周書』曰、丙午朏。
霸 月始生、霸然也。承大月、二日。承小月、三日。从月䨣聲。『周書』曰、哉生霸。
𣍸 古文霸。
明也。从月良聲。
晦而月見西方謂之朓。从月兆聲。
朔而月見東方謂之縮肭。从月内聲。
會也。从月其聲。

新附

月朦朧也。从月蒙聲。
朦朧也。从月龍聲。

月部 舊版

《説文解字本文》月一日始蘇也。从聲。
《康煕古文》𣍮
《音》サク
《訓》ついたち。はじめ。きた。
康煕月部
人名用漢字

《説文解字本文》月未盛之明。从。『周書』曰、丙午朏。
《康煕古文》𣍧
《音》ヒ
《訓》みかづき
康煕月部

《説文解字本文》朗朖 明也。从聲。
《康煕古文》𥇑脼
《音》ラウ
《訓》ほがらか。あきらか。
康煕月部
當用漢字・常用漢字《漢字表字體》朗(U+6717; JIS:1-47-15) 《人名用許容字體》朗(U+F929; JIS:1-85-46)

説文解字
晦而月見西方謂之朓。从聲。
康煕字典
月部
テウ
みそかづき。かたむく。

舊暦晦日、西方に月の見えるさま、また、その月のこと。滿月は。朔日に月の見えるは

肉部脁字は別字。

説文解字
朔而月見東方謂之縮肭。从聲。 段注は朒につくり、从月。肉聲。とする。
康煕字典
月部六劃
『正字通』女六切、音衄。『說文』朔而月見東方曰朒。○按朒『說文』作肭、非。當从肉。『謝莊・月賦』朒朓警闕。『李善註』引『說文』亦作朒。餘詳肭字註。
『玉篇』縮朒、不寬伸之貌。『前漢・五行志』王侯縮朒不任事。〔註〕鄭氏曰、縮朒、不任事之貌也。
肭 月部四劃
『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤女六切、音衄。『說文』朔而月見東方、謂之縮肭。从月內聲。○按从內非聲、當从肉乃得聲。『玉篇』作朒、今本『說文』作肭、乃傳寫之譌耳。
ヂク
ついたちづき。ちぢむ。
解字(藤堂)
肉聲。月の外線が縮んで僅かに見えるさま。ヂクとは彈力性のある纖維が縮む意を含む。

舊暦朔日、東方に月の見えるさま、また、その月のこと。滿月は。晦日、西方に月の見えるは

肉部肭字は別字。

説文解字
會也。从聲。
𣅆 古文期从
康煕字典
月部
《古文》𠔸
解字(白川)
其(箕)は方形に近く、一定の位置、間隔、區分を示すことがあり、期は一定期間を表す。
解字(藤堂)
會意、其は亦た音符。其は箕の象で、四角くきちんとしたの意を含む。期は、月の巡り、季節の巡りが正しく一巡して正しく元の位置に戻ることを表す。
解字(漢字多功能字庫)
金文は月に從ひ其聲、或は日に從ひ其聲、或は其に替へて丌に從ふ。月や日は時間を表し、期の本義は時期。
當用漢字・常用漢字

新附 舊版

《説文解字本文》月朦朧也。从月蒙聲。
《音》モウ
《訓》おぼろ
肉部䑃字は別字。
康煕月部

《説文解字本文》朦朧也。从月龍聲。
《康煕》『類篇』朣朧、月初出。
《簡体字》胧
《音》ロウ
《訓》おぼろ
肉部𦢫字は別字。
康煕月部

補遺

《康煕》『廣韻』『正韻』徒紅切『集韻』徒東切、𠀤音同。月初出也。『潘岳・秋興賦』月朣朧以含光兮。〔註〕朣朧、欲明也。
《音》ドウ。トウ。
月のおぼろなさま、また、出始めのぼんやりしたさまをいふ。
康煕月部