夐 - 漢字私註

説文解字

また𢿌につくる。
營求也。从𡕥、从上。『商書』曰、高宗夢得說、使百工夐求、得之傅巗。巗、穴也。
𡕥部

康煕字典

部・劃數
夊部十一劃

『字彙』呼眩切、音絢。『說文』營求也。

又呼正切、音榮。姓也。

又戸頂切。與迥同。『司馬相如・上林賦』儵夐遠去。

『正字通』夐字之譌。

部・劃數
攴部十一劃

『廣韻』許縣切『集韻』『韻會』翾縣切、𠀤音絢。『說文』營求也。从𥄎、从人在穴上。【商書】曰、高宗夢傅說。使百工𢿌求得之。○按書說命序今作營。【傳】云、經營求之。

又『廣韻』休正切『集韻』『韻會』虛政切、𠀤音詗。『博雅』遠也。『前漢・司馬相如傳』儵𢿌遠去。《註》儵然、𢿌然、疾遠貌。『班固・典引』上哉𢿌乎。

又『博雅』長也、𢿌𢿌視也。

『玉篇』作

異體字

或體。

音訓

ケイ(漢)
とほい。はるか。

解字

白川

もと𢿌につくり、奐の上部と𡕥の會意。

『廣雅・釋訓』に夐夐は視るなりとあり、字はまた王延壽『魯靈光殿賦』に「ケンケン」につくり、古くその聲があつた。

説文解字に奐、㼱を夐の省聲とするが、聲は合はない。奐、㼱はともに胯下の象に從ふ字。奐は免(娩の初文)が側身形であるのに對して、その正面形。羊水とともに、子が脱出することを渙然といふ。㼱の瓦の形はふぐり。夐の目の部分もふぐり。夐はそのふぐりをつ形で、うたれて眴目喪精、目の眩むことを矎といふ。ゆゑに意識の遠くなることから、夐絶、夐遠の義を生ずる。眴は矎の形聲字、夐がその眴目の由る所を示す字である。

藤堂

もと𢿌と書き、奐の略體と(動詞の記號)の會意。奐はぐるぐると回す意を含む。夐は、目を回して遠くを搜し求める意を表す。

また、奐は、人が兩股を開いた姿であるから、夐は股の下から遠方を逆見するさまを示すと解釋することもできる。

屬性

U+5910
JIS: 1-52-75
𢿌
U+22FCC
U+657B

関聯字

夐聲の字