臨 - 漢字私註
説文解字
- 臨
監臨也。从臥品聲。
- 八・臥部
康煕字典
- 部・劃數
- 臣部・十一劃
- 古文
- 𦣷
『唐韻』力尋切『集韻』『韻會』犂針切『正韻』犂沉切、𠀤音林。『爾雅・釋詁』臨、視也。『詩・衞風』日居月諸、照臨下土。又『大雅』上帝臨女、無貳爾心。《箋》臨、視也。『禮・曲禮』臨諸侯、畛於鬼神。《疏》以尊適𤰞曰臨。『穀梁傳・哀七年』春秋有臨天下之言焉、有臨一國之言焉、有臨一家之言焉。《註》徐乾曰:臨者、撫有之也。
又『博雅』臨、大也。
又『戰國策』縣隂以甘之、循有燕以臨之。《註》臨、猶制也。
又易卦名。
又車名。『詩・大雅』以爾鉤援、與爾臨衝、以伐崇墉。《傳》臨、臨車也。《疏》臨者、在上臨下之名。『釋名』臨、如字。韓詩作隆。
又地名。『左傳・哀四年』荀寅奔鮮虞、趙稷奔臨。《註》臨、晉邑。
又丘名。『爾雅・釋丘』右高名臨丘。
又姓。『後趙錄』秦州刺史臨深。『孔融傳』有臨孝存。
又門名。『左思・吳都賦』左稱彎崎、右號臨硎。《註》彎崎、臨硎、閽闥名。吳後主起昭明宮、於太初之東開彎崎臨硎二門、彎崎宮東門、臨硎宮西門。
又『韻會』力鴆切『正韻』力禁切、𠀤林去聲。『增韻』喪哭。『顏師古曰』衆哭曰臨。『左傳・宣十二年』楚子圍鄭、旬有七日。鄭人卜行成、不吉。卜臨于大官、且巷出車、吉。《註》臨、哭也。『釋文』臨、力鴆切。
又『韻補』叶盧東切、音隆。『詩・大雅』后稷不克、上帝不臨。耗斁下土、寧丁我躬。『司馬相如・長門賦』奉虛言而望誠兮、期城南之離宮。修薄具而自設兮、君不肯乎幸臨。
又叶力陽切、音良。『秦始皇祠洛水歌』洛陽之水、其色蒼蒼。祠祭大澤、倏忽南臨。洛濱醊禱、色連三光。
- 部・劃數
- 臣部・二十三劃
『集韻』臨、古作𦣷。註詳十一畫。
異體字
簡体字。
音訓
- 音
- リム(漢、呉)
- 訓
- のぞむ。をさめる。およぶ。
解字
白川
臥と品の會意。臥は人が俯して、下方を遠く臨む形。品は金文の字形によると、祝禱を收めた器を列する形。
『説文解字』に品聲とするが聲が合はず、祝禱に對して上天の靈の監臨することを示す字とみられる。『詩・大雅・大明』上帝臨女
(上帝、女に臨む)、『同・同・皇矣』臨下有赫
(下に臨むこと赫たる有り)など、みなその意。金文にも、《大盂鼎》故に天、翼臨す
(下揭)、《毛公鼎》我が有周に臨保す
(下揭)のやうに用ゐる。
監は鑑に臥して姿を見る意。臨はそのやうな姿勢で下界に臨むことをいふ。下界よりして高く遠く望むことを望といふ。
藤堂
臣(伏せ目)と人と色々な品の會意で、人が高い所から下方の物を見下ろすことを示す。
漢字多功能字庫
金文は臣と人に從ひ、品聲。臣は縱にした目。全字で人が低く頭を伏せて視る形を象り、高きに居て下を臨むの意が有り、本義は俯視(見下ろすこと)、監視の意を派生する。臨はまた監の省聲に從ふとみることもできて、雙聲符の字。
金文では本義に用ゐる。
- 大盂鼎
天異(翼)臨子
の翼はたすけることを表し、天が位を繼いだ君主を祐け監護するの意。 - 毛公鼎
肆皇天亡(無)斁、臨保我有周
は、皇天は懈怠せず、我が周を看護し祐ける、の意。
戰國竹簡での用義は次のとほり。
- 俯視を表す。《清華簡一・耆夜》簡8
明明上帝、臨下之光、丕顯逨(來)各(格)、歆厥禋明(盟)
は、明るく輝く上帝の、人を見下ろす光芒は、盛んにして到り、祭品の香氣を享受する、の意。『詩・大雅・皇矣』(上揭)皇矣上帝、臨下有赫。
鄭玄箋臨、視也。大矣。天之視天下、赫然甚明。
『詩・小雅・小明』明明上天、照臨下土。
- 蒞臨(親臨)、參與を表す。《清華簡二・繫年》簡67
今春丌(其)會者(諸)侯,子丌(其)與臨之。
は、今春諸侯が會盟する、汝も會盟に臨まん、の意。
屬性
- 臨
- U+81E8
- JIS: 1-46-55
- 當用漢字・常用漢字
- 𦣷
- U+268F7
- 临
- U+4E34
関聯字
臨聲の字
- 瀶