節 - 漢字私註

説文解字

節
竹約也。从聲。
竹部

康煕字典

部・劃數
竹部九劃
古文

『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤子結切、音接。『說文』竹節也。又操也。『左傳・成十五年』諸侯將見子臧于王而立之、子臧辭曰、前志有之曰、聖達節、次守節、下失節。爲君非吾節也。

又止也、檢也、制也。『易・頤象』君子以愼言語、節飮食。《疏》節、裁節。又『節卦』節亨。苦節不可貞。《疏》節者、制度之名、節止之義、制事有節、其道乃亨。又『說卦傳』節、止也。『書・康誥』節性惟日其邁。『禮・檀弓』品節斯。《註》制斷也。『爾雅・釋樂』和樂謂之節。《疏》八音克諧、無相奪倫、謂之和樂、樂和則應節。『左傳・莊二十三年』公如齊觀社、曹劌諫曰、會以訓上下之則、制財用之節。『史記・樂書』大禮與天地同節。《正義曰》天有日月、地有山川、高𤰞如形、生用各別。大禮辯尊𤰞貴賤等差異別、是大禮與天地同節。

又符節、所以示信。『書・康誥』惟厥正人越小臣諸節。《註》諸有符節之臣、若爲官行文書而有符、今之印者也。『周禮・地官』掌節、掌守邦節而辨其用、以輔王命。凡通達于天下者、必有節以傳輔之。無節者、有幾則不達。《註》以王命往來、必有節以爲信。又『秋官』小行人掌達天下之六節、山國用虎節、土國用人節、澤國用龍節、皆以金爲之。道路用旌節、門關用符節、都鄙用管節、皆以竹爲之。『禮・玉藻』凡君召以三節、二節以走、一節以趨。《註》隨事緩急、急則二節、故走。緩則一節、故趨也。『左傳・文十二年』秦西乞術曰、不腆先君之敝器、使下臣致諸執事、以爲瑞節。《註》節、信也。『史記・秦始皇紀』衣服、旄旌、節旗、皆上黑。《正義曰》旄節者、編旄爲之、以象竹節。

又時節。『左傳疏』凡春、秋分、冬、夏至、立春、立夏爲啟。立秋、立冬爲閉。用此八節之日登觀臺、書其所見雲物氣色。

又人君壽日皆名節、有萬壽節、天中節等名。

又地名。『左思・魏都賦』掘鯉之淀、蓋節之淵。《註》蓋節淵在平原鬲縣北。

又貫節、藥草名。

又樂器、卽拊也、所以節樂。

又諡法、好廉自克曰節。

又漢宣帝改元地節。《應劭曰》欲令地得其節。

又姓。明正德中、守禦指揮僉事節鐸。

又官名。『眞𦡳風土記』村中人家稍密、有鎭守之官、名曰買節。

又『集韻』昨結切、音截。『詩・小雅』節彼南山。

又叶子悉切。『陸機・答賈長淵詩』大辰匿暉、金虎習質。雄臣馳騖、義夫赴節。

又叶子計切。『曹植・王霸贊』壯氣凌雲、挺身奮節。所征必拔、謀顯垂惠。

廣韻

操也、制也、止也、驗也。『說文』曰、竹約也。子結切。十三。

異體字

或體。

簡体字。

音訓

セツ(漢) セチ(呉) 〈『廣韻・入聲・屑・節』子結切〉[jié]{zit3}
ふし。しるし。わりふ(符節)。みさを(節義)。かぎる。

解字

白川

形聲。聲符は

『説文解字』に竹のふしなりとあり、竹節をいふ。『説文解字』にを節の初文とするが、卩は人の跪坐する形で、人の膝の部分を強調する字。

《鄂君啓節》は楚の懷王六年、鄂君に與へた車節、舟節で、銅製の節であるが、竹節の形に鑄込まれてゐる。

周禮・秋官・小行人』に六節の規定があり、道路、門關、都鄙の管節はみな竹符を用ゐた。竹節によつてその行爲が規定されてゐるので、節度、節義、節操の意となり、また節侯、節奏など、すべて秩序、法度のある意に用ゐる。

藤堂

(膝を折つた人)の會意。卽は、御馳走と、膝を折つて跪いた人の會意字。ここでは卩の部分、膝を折ることに重點がある。節は、膝を節として脚が區切れるやうに、一段づつ區切れる竹の節。

漢字多功能字庫

節はもと竹の節、竹の各段の繫がり突出する部位を指す。『史記・龜策列傳』竹、外有節理、中直空虛。

節は戰國金文に初めて見える。に從ひ聲で、小篆に同じ。節は竹節のことで、兩條の節紋の間を一節とする。古く身分や權力の憑證(證書)として用ゐ、圓筒形の竹節を兩半し、帝王と執事官員が、あるいは關を守る者と特權を得る人が分けて持ち、兩半が合へば有效となる。早期は竹を割つて節とし、後に青銅で鑄造し、依然として竹節の形に象る。たとへば戰國時代の鄂君啟舟、車節は、水路、陸路の商用の免税通行證である。虎符もまた節と稱する。辟大夫虎符の銘文は辟大夫信節と自稱する。符、節は、憑信(頼みとして信ずること)を表し、義同じく通用する。

『説文解字』以降、字書は多くと節を古今の字とするが、その實は兩字はただ同音假借の關係である。卩の甲骨文、金文は、跪坐する人の側面を象り、符節の義はない。このほか、音が同じことから、節と卽は通用し、簡帛に見え、節制、即刻などを表す。

戰國金文では主に符節を表す。金文に見える舟節、車節は、水路、陸路の商用の通行證。『集韻』節、信也。

金文ではまた節制、約制を表す。

およそ事の止んで過ぎざるものをみな節といひ、節に合致するのを「中節」、さうでないのを「失節」といふ。時節、禮節、品節、志節、氣節、廉節、節制、節度、節文、節奏、節操、節義、節儉、節省の義の從ふところである(參・說文廣義校訂)。更に多くの文例が『易』、『逸周書』、『禮記』、『廣雅』を參考にできる。

屬性

U+FA56 (CJK互換)
JIS: 1-89-68
人名用漢字
U+7BC0
JIS: 1-32-65
當用漢字・常用漢字
節︀
U+7BC0 U+FE00
CJK COMPATIBILITY IDEOGRAPH-FA56
節󠄁
U+7BC0 U+E0101
CID+13358
節󠄂
U+7BC0 U+E0102
CID+13879
節󠄄
U+7BC0 U+E0104
MJ019577
節󠄅
U+7BC0 U+E0105
MJ030285
U+8282