庇 - 漢字私註
説文解字
蔭也。从广比聲。
- 九・广部
康煕字典
- 部・劃數
- 广部四劃
『廣韻』『集韻』𠀤必至切、比去聲。『爾雅・釋言』庇庥、廕也。《疏》庇、蔽也。『禮・表記』有庇民之大德。『左傳・襄三十一年』大官大邑、身之所庇也。
又『集韻』通作芘。『莊子・養生主』隱將芘其所籟。
又覆也。『周禮・冬官考工記』輪人弓長六尺謂之庇軹、五尺謂之庇輪、四尺謂之庇軫。《註》庇謂覆幹也。
又『揚子・方言』寄也、齊衞宋魯𨻰晉汝潁荆州江淮之閒曰庇、或曰寓。
又『集韻』兵媚切、音秘。義同。
又頻脂切、音琵。地名。
音訓
- 音
- ヒ(漢、呉) 〈『廣韻・去聲・至・痹』必至切〉
- 訓
- ひさし。かばふ。おほふ。
解字
白川
形聲。聲符は比。
説文解字に蔭ふなり
とあり、廂の下に人が竝ぶ形。頼りとして身を寄せることを庇蔭といふ。
本邦ではひさしをいふ。
藤堂
广(家)と音符比の會意兼形聲。比は竝ぶこと。庇は、軒に椽を竝べて差し出したひさしを示す。ひさしが下を覆ふことから轉じて、かばふ意となる。
漢字多功能字庫
- 『左傳・文公七年』
葛藟猶能庇其本根、故君子以為比、況國君乎?
- 『文選・王簡棲・頭陁寺碑文』
宋大明五年、始立方丈茅茨、以庇經像。
また身を隱すことを表す。
- 『墨子・公輸』
子墨子歸、過宋、天雨、庇其閭中、守閭者不內也。
- 『世說新語・賞譽』
庇其宇下、使人忘寒暑。
轉じて保護、庇佑を表す。
- 『國語・楚語』
玉足以庇廕嘉穀、使無水旱之災、則寶之。
- 『禮記・表記』
下之事上也、雖有庇民之大德、不敢有君民之心、仁之厚也。
また寄托を表す。『廣雅・釋詁三』庇、寄也。
- 『左傳・襄公三十一年』
大官、大邑、身之所庇也。
洪亮吉詁庇、寄也。
- 『舊唐書・張說傳』
風雨暴至、不知庇托。
- 《合集》6943
令多奠[衣匕]爾(邇)墉。
は、多奠に命じて近くの墉の内に保護されるやうにさせた(參・裘錫圭)。 - 『新甲骨文編』は[衣匕]を庇と釋す。
屬性
- 庇
- U+5E87
- JIS: 1-40-63
- 人名用漢字