比 - 漢字私註
説文解字
密也。二人爲从、反从爲比。凡比之屬皆从比。毗至切。
- 八・比部
古文比。
説文解字注
密也。今韵平上去入四聲皆錄此字。要宻義足以括之。其本義謂相親密也。餘義俌也、及也、次也、校也、例也、類也、頻也、擇善而從之也、阿黨也。皆其所引伸。許書無篦字。古衹作比。見『蒼頡篇』、『釋名』、『漢書・匈奴傳』。『周禮』或叚比爲庀。二人爲从。反从爲比。猶反人爲匕也。毗二切。按四聲俱收。其義本一。其音強分耳。唐人詩多讀入聲者。十五部。
古文比。按葢从二大也。二大者、二人也。凡比之屬皆从比。
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
- 古文
- 夶
- 𣬅
『廣韻』𤰞履切『集韻』『韻會』補履切『正韻』補委切、𠀤音匕。校也、𠀤也。『周禮・天官』凡禮事、贊小宰、比官府之具。《註》比、校次之、使知善惡足否也。『儀禮・大射儀』遂比三耦。《註》比、校也。『齊語』比校民之有道者。
又類也、方也。『禮・學記』比物醜類。《疏》謂以同類之事相比方、則學乃易成。『韓詩外傳』高比、所以廣德也。下比、所以挾行也。比於善、自進之階。比於惡、自退之原。
又『詩』有比體。『毛詩序』詩有六義。一曰風、二曰賦、三曰比、四曰興、五曰雅、六曰頌。鄭司農云、比者、比方於物、諸言如者、皆比詞也。比之與興、同附託外物、比顯而興隱。
又比例。『禮・王制』必察小大之比以成之。《鄭註》已行故事曰比。比、例也。『後漢・陳忠傳』父寵在廷尉、上除漢法溢於甫𠛬者。未施行、寵免、後忠略依寵意、奏上二十三條、爲决事比。《註》比、例也。
又綴輯書史曰比。『前漢・儒林傳』公孫弘比輯其義。『唐・藝文志』玄宗命馬懷素爲修圖書使、與褚無量整比。
又諡法之一。『左傳・昭二十八年』擇善而從之曰比。『詩・大雅』王此大邦、克順克比。《註》比、必里反。【正義】引服䖍云、比方損益古今之宜而從之也。
又比部、官名。取校勘亭平之義。卽今𠛬部。『正韻』音皮、誤。
又水名。『前漢・地理志』南陽郡有比陽縣。應劭曰、比水所出、東入蔡。
又『集韻』『正韻』𠀤普弭切、音諀。與庀同。治也、具也。『周禮・春官』大胥比樂官。《註》錄具樂官也。與庀通。
又『廣韻』『韻會』毗至切『集韻』毗義切『正韻』毗意切、𠀤音避。『爾雅・釋詁』比、俌也。《郭註》俌、猶輔。『易・比卦・彖辭』比、輔也、下順從也。『卜氏傳』地得水而柔、故曰比。
又親也、近也。『周禮・夏官』形方氏使小國事大國、大國比小國。《註》比、猶親也。
又和也。『周禮・春官』𥰫人辨九𥰫之名、六曰巫比。《註》巫讀爲筮、比謂筮與民和比也。
又近鄰之稱。『周禮・地官』五家爲比、使之相保。五比爲閭、使之相受。
又案比。『周禮・地官』小司徒掌九比之數、乃頒比法於六鄕之大夫、及三年、則大比。『又』鄕大夫大比考其德行道藝、而興賢者能者。《疏》三年一閏、天道有成、故每至三年則大案比。
又及也。『詩・大雅』比于文王、其德靡悔。《註》比于、至于也。『前漢・高帝紀』自度比至皆亡之。
又頻也。『禮・王制』比年一小聘。『漢志』比年、猶頻年也。又比比、猶言頻頻。『前漢・成帝紀』郡國比比地動。
又𠀤也。『書・牧誓』比爾干。『正義』楯則𠀤以扞敵、故言比。『史記・蘇秦傳』騎不得比行。
又齊也。『詩・小雅』比物四驪。《註》比物、齊其力也。
又偏也、黨也。『書・洪範』人無有比德。『正義』人無阿比之德、言天下衆民盡得中也。『論語』君子周而不比。《鄭註》忠信爲周、阿黨爲比。
又從也。『論語』義之與比。《朱註》比、從也。『晉語』事君者比而不黨。《註》比謂比義。
又合也。『禮・射儀』其容體比於禮、其節比於樂。《註》比、親合也。『漢・劉歆・移太常博士書』比意同力、冀得廢遺。《師古註》訓合。
又密也。『詩・周頌』其比如櫛。
又比余、櫛髮具。『史記・匈奴傳』漢文帝遺單于比余。『漢書』作比疎。『廣雅』比、櫛也。『蒼頡篇』靡者爲比、麤者爲疏。今亦謂之梳。『顏師古・急就篇註』櫛之大而麤、所以理鬢者、謂之疏、言其齒稀疏也。小而細、所以去蟣蝨者、謂之比、言其齒密比也。皆因其體以立名。
又矢括曰比。『周禮・考工記』矢人爲矢、夾其隂陽以設其比、夾其比以設其羽。《鄭司農註》比、謂括也。
又『揚子・方言』比、代也。
又『廣韻』『集韻』『韻會』𠀤必至切、音畀。近也。倂也、密也。義同。
又『正韻』兵媚切、音祕。先也。『禮・祭義』比時具物、不可以不備。《鄭註》比時、猶先時也。比、必利反、又甫至反。
又『廣韻』房脂切『集韻』『韻會』頻脂切『正韻』蒲麋切、𠀤音毗。和也。一曰次也、𠀤也。比鄰、猶𠀤鄰。『杜甫詩』不敎鵝鴨惱比鄰。
又比蒲、地名。『春秋・昭十一年』大蒐于比蒲。
又臯比、虎皮也。『左傳・莊十年』蒙臯比而先犯之、後人以爲講席。『戴叔倫詩』臯比喜接連。『朱子・張載銘』勇撤臯比。
又師比、胡革帶鉤也。『戰國策』胡服黃金師比。通作毗紕。
又『唐韻』毗必切『集韻』『韻會』簿必切『正韻』簿密切、𠀤音邲。比次也。『增韻』比比、猶總總也。『張九齡荔枝賦』皮龍鱗而騈比。『顧况・持斧章』榱之斯密、如鱗櫛比。皆讀如邲。又『莊子・齊物論』人籟則比竹是矣。李軌讀。
『說文』二人爲从、反从爲比。
- 部・劃數
- 大部・三劃
『集韻』比古作夶。註詳匕部二畫〔註1〕。
- 註1: 「匕部二畫」は「(比部)部首」の誤り。
- 部・劃數
- 比部四劃
『玉篇』古文比字。註見部首。
音訓
- 音
- (1) ヒ(漢、呉) 〈『廣韻・上聲・旨・匕』卑履切〉[bǐ]{bei2}
- (2) ヒ(漢) 〈『廣韻・去聲・至・鼻』毗至切/『廣韻・去聲・至・痹』必至切〉[bì]{bei6/bei3}
- (3) ヒ 〈『廣韻・上平聲・脂・𣬈』房脂切〉[pí]{pei4}
- 訓
- (1) くらべる(比較)。たぐひ(比類)。
- (2) ならぶ。ならべる(比肩)。したしむ(朋比)。したがふ。ころ。ころほひ。このごろ(比來)。
比丘、比丘尼は音(1)に讀む。梵語Bhikṣu、Bhikkhunīの音寫。
比比は音(2)に讀み、屢々、しきりに、の意。
皋比は音(3)に讀み、虎皮のこと。
解字
白川
會意。二人相竝ぶ形。左向きは从。右向きは比で比親の意となる。
『論語・爲政』君子周而不比
(君子は周して比せず)とは私親の意。
金文に「左比」「右比」のやうに、比助の意に用ゐる。
相竝ぶ意より比較の意となり、比類、比倫といひ、また相從ふ意となる。
藤堂
會意。人が二人くつついて竝んだことを示す。
落合
甲骨文の从の異體に、二匕から成る形があり、後に分化した。甲骨文では區別がなく、同じ意味で使はれてゐる。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は、二人に從ひ、二人が(橫に)竝ぶ形に象り、竝列の意。比と从の字形は近く、比の人の形は大多數が右を向き、从字は大多數が左を向くことにより分別する。甲骨文の比字の下部は比較的に彎曲してゐる(屈萬里)。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 通読して妣となし、「比(妣)庚」のやうに先祖の配偶を表す。
- 輔助を表す。「王比望乘」は王が望乘を輔助あるいは支援することをいふ(李宗焜)。
早期金文でもまた通じて妣となし、甲骨文と用法は同じ。また人名に用ゐる。また輔佐を表す。班簋以乃𠂤(師)左比毛父
。
屬性
- 比
- U+6BD4
- JIS: 1-40-70
- 當用漢字・常用漢字
- 夶
- U+5936
- JIS X 0212: 24-80
- 𣬅
- U+23B05
関聯字
比に從ふ字を漢字私註部別一覽・匕部・比枝に蒐める。