祥 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
福也。凡統言則災亦謂之祥。析言則善者謂之祥。从示羊聲。似羊切。十部。鉉本此下有「一云善」三字。淺人所增。一書中此類不少。
康煕字典
- 部・劃數
- 示部・六劃
『唐韻』似羊切『集韻』『韻會』『正韻』徐羊切、𠀤音詳。『說文』福也。一云善也。『禮・禮運』是謂大祥。『書・泰誓』襲于休祥。
又凡吉凶之兆皆曰祥。《徐鉉曰》祥、詳也。天欲降以禍福、先以吉凶之兆詳審告悟之也。『前漢・五行志』妖孽自外來謂之祥。『左傳・昭十八年』鄭之未災也、里析曰、將有大祥。《註》祥、變異之氣。《疏》祥者、善惡之徵。中庸必有禎祥、吉祥也。必有妖孽、凶祥也。則祥是善事、而析以災爲祥者、對文言耳。書序、亳有祥桑。五行傳、時有靑眚靑祥、白眚白祥之類、皆以惡徵爲祥。是祥有善有惡、故杜云變異之氣。
又祭名。『禮・閒傳』父母之喪期而小祥、又期而大祥。《疏》大祥二十五月。
又通詳。『史記・自序』隂陽之術大祥。『漢書』作詳。
廣韻
- 卷・韻・小韻
- 下平聲・陽・詳
- 反切
- 似羊切
吉也、善也。
音訓
- 音
- シャウ(漢) 〈『廣韻・下平聲・陽・詳』似羊切〉
- 訓
- さいはひ。めでたい。しるし。きざし。つまびらか。
解字
白川
形聲。聲符は羊。羊に痒、詳の聲がある。
『説文解字』に福なり
、『爾雅・ 釋詁』に善なり
とするが、吉凶いづれにも用ゐる字。
『左傳・昭十八年』大祥
の註に變異の氣なり
といひ(上揭)、妖祥をいふこともあるが、おほむねは吉祥の意に用ゐる。
『説文解字』羊字條に祥なり
とあり、羊神判によつて吉凶を判ずることから、その意となつたものであらう。
藤堂
示(まつり)と音符羊の會意兼形聲。羊は、古人が家畜として常用し、その姿の良いものを犧牲としたので、良い形の代表と看做された。祥は、神意がある姿や形をとつて外にあらはれたもの。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は示に從ひ、神祇禍福に關係のあることを表し、羊に從ひ、羊は意符でもあり聲符でもある。羊に從ふ字は往々にして美善、吉慶の意を有し、祥の本義は吉祥。
金文での用義は次のとほり。
- 吉祥の祥に用ゐる。陳逆簠
擇厥吉金、台(以)乍厥元配季姜之祥器
の「季姜」は姜姓の末娘のことで、堅固な金屬を選び、本妻の季姜に與へる吉祥の器を鑄造するの意。 - 羕を以て祥を表す。中山王方壺
為人臣而𢓉(反)臣其宔(主),不羕(祥)莫大焉
は、臣下として、反して君主を臣とすることは、この上ない不詳である、の意。
簡帛での用義は次のとほり。
- 本義に用ゐる。《馬王堆帛書・老子甲本》第154行
兵者、不祥之器。
- 羊を以て祥を表す。《睡虎地秦簡・日書甲種》簡158背
不羊(祥)
。
屬性
- 祥
- U+FA1A (CJK互換漢字)
- JIS: 1-89-29
- 人名用漢字
- 祥︀
- U+7965 U+FE00
- CJK COMPATIBILITY IDEOGRAPH-FA1A
- 祥󠄀
- U+7965 U+E0100
- CID+8581
- 祥󠄃
- U+7965 U+E0103
- MJ030212
- 祥
- U+7965
- JIS: 1-30-45
- 當用漢字・常用漢字