圂 - 漢字私註
説文解字
廁也。从囗、象豕在囗中也。會意。
- 六・囗部
説文解字注
豕廁也。从囗、象豕在囗中也。會意。
康煕字典
- 部・劃數
- 囗部七劃
『唐韻』『集韻』𠀤胡困切、音溷。『說文』廁也。从豕在囗中也。會意。
又『集韻』『正韻』𠀤胡慣切。與豢同。『禮・少儀』君子不食圂腴。【註】謂犬豕之屬食米穀者也。
音訓
- 音
- コン(漢) 〈『廣韻・去聲・慁・慁』胡困切〉
- 訓
- ぶたごや。かはや。
解字
落合は甲骨文を亡失字とするが、連續性が缺けてゐるとは俄には思ひ難い。
白川
説文解字に廁なり
とあり、また豕廁、豕牢ともいふ。
藤堂
落合
甲骨文に圍ひを表す四角形と猪を表す彘の略體に從ふ亡失字([⿴囗彘])があり、その異體に彘を豕に換へた形(圂)がある。(補註: 漢字多功能字庫はいづれの形も圂の甲骨文として擧げる。)
甲骨文では施設名として用ゐられてをり、捕らへた野生の猪を飼育する施設であらう。《合集》11274貞、呼作[⿴囗彘]于專。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は囗と豕に從ふ。甲骨文はあるいは豕に從はず彖に從ふ。豬を小屋あるいは圍ひの中で飼育する形に象り、本義は豬を飼育する場所。『玉篇』圂、豕所居也。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 豚小屋を表す。《合集》11274正
乎(呼)乍(作)圂于專
。 - 地名に用ゐる。
金文では氏族徽號に用ゐ、また通じて溷となす。毛公鼎圂湛于艱
は、艱難の中に深く陷ることを表す。
屬性
- 圂
- U+5702
- JIS X 0212: 23-4
關聯字
圂聲の字
- 㮯
- 㯻
- 慁
- 溷
- 㨡