扁 - 漢字私註

説文解字

扁
署也。从。戶冊者、署門戶之文也。
冊部

康煕字典

部・劃數
户部五劃
古文
𡲜

『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤補典切、音匾。『說文』署也。从戶𠕁。戶𠕁者、署門戶之文也。會意。其餘皆借義。凡器物不圓者曰扁。『後漢・東夷傳』辰韓生兒、欲其頭扁、押之以石。

又𤰞也。『詩・小雅』有扁斯石。

又『廣韻』薄泫切『集韻』婢典切、𠀤音辮。『集韻』姓也。古有扁鵲。或作鶣。

又『廣韻』符善切『集韻』婢善切、𠀤音楩。又『集韻』婢忍切、音牝。義𠀤同。

又『集韻』孚袁切、音翻。番也。『莊子・知北遊』扁然。『郭註』音翻。

又『集韻』『類篇』𠀤𤰞眠切、音邊。扁諸、劒名。

又『集韻』蒲眠切、音蹁。圜貌。

又『廣韻』芳連切『集韻』紕延切、𠀤音篇。『廣韻』小舟也。

部・劃數
尸部九劃

『集韻』紕延切、音編。特也。『字彙』小舟也。

『正字通』本作

音訓

(1) ヘン(漢、呉) 〈『廣韻・上聲・銑・編』方典切〉
(2) ヘン(漢、呉) 〈『廣韻・下平聲・仙・篇』芳連切〉
(1) ひらたい(扁平)。ひくい。
(2) ちひさい(扁小、扁舟)

解字

白川

象形。編み戸の形に象る。の下部を編み戸の形に作る。その兩扁のものを扉といふ。

『説文解字』に署なり。戶册に從ふ。戶册なる者は、門戶に署するの文なり。とし、冊を冊書、字を會意にして扁額の意であるとするが、字の初形初義としがたい。『説文解字』篇字條に書なり。一に曰く、關西には榜を謂ひて篇と曰ふ。とあり、『説文解字』はこの篇の義を以て解する。

扁は扁扉の字。扉は兩扁のあるべきものであるから、扁は一偏の意となり、また扁平、扁小、扁額、扁舟の意となる。

藤堂

(薄い扉)と(薄い木の札)の會意で、薄く平らな意を示す。

漢字多功能字庫

扁はもと門戶の上に揭げる扁額を指す。その形狀から、扁平の扁の意を派生する。

金文はに從ふ。構形初義に定論はなく、一説に冊は文字を(で)記錄する簡策のことで、ゆゑに扁は門戶の上の扁額のことといふ(潘慧如、康寶文)。

金文では讀んで偏となし、周邊域、郊外を表す。伯龢父敦兼𤔲我西扁(偏)、東扁(偏)。は、伯龢父の封邑の西鄙、東鄙を指す。『左傳・隱公十一年』鄭伯使許大夫百里奉許叔以居許東偏。杜預注東偏、東鄙也。

屬性

U+6241
JIS: 1-57-8

關聯字

扁聲の字