徧 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
帀也。《帀部》曰「帀、𠣘也。」《勹部》曰「𠣘、帀徧也。」
从彳扁聲。比薦切。十二部。『禮』『禮記』多假辯字爲之。
康煕字典
- 部・劃數
- 彳部・九劃
『廣韻』比薦切『集韻』『韻會』『正韻』𤰞見切、𠀤編去聲。〔音1〕『說文』帀也。『廣韻』周也。『書・舜典』徧于羣神。『詩・小雅』羣黎百姓、徧爲爾德。『左傳・莊二十年』樂及徧舞。《疏》言樂之所有、舞悉周徧也。
又『廣韻』俗作遍。『魏志・賈逵傳・註』逵最好春秋左傳、自課誦之、月常一遍。
又『集韻』或作辯。『禮・曲禮』然後辯殽。《註》辯音徧、義同。
又『集韻』或作辨。『史記・五帝紀』辨于羣神。『書・舜典』作徧。
又與蹁通。〔音2〕『集韻』蹁或作徧。
又與偏通。〔音3〕『集韻』偏通作徧。
- 部・劃數
- 辵部・九劃
『廣韻』與徧同。詳彳部徧字註。
音訓義
- 音
- ヘン(漢)(呉)⦅一⦆
- ヘン(推)⦅二⦆
- ヘン(推)⦅三⦆
- 訓
- あまねし⦅一⦆
- 官話
- biàn⦅一⦆
- 粤語
- bin3⦅一⦆
- pin3⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・線・徧』方見切
- 『集韻・去下・霰・徧』卑見切
- 『五音集韻・去聲卷第十一・線第十一・幫四徧』方見切
- 聲母
- 幫(重唇音・全清)
- 等呼
- 四
- 推定中古音
- pɛn
- 官話
- biàn
- 粤語
- bin3(本讀)
- pin3(習讀)
- 日本語音
- ヘン(漢)(呉)
- 訓
- あまねし
- 義
- あまねし。行き渡る。めぐる。
- あまねく。殘らず。全部。みな。
- 釋
- 『廣韻』
徧: 周也。『說文』帀也。方見切。二。 遍: 俗。
- 『集韻』
徧遍辯辨: 卑見切。『說文』帀也。或从辵、亦作辯辨。文五。
- 『康煕字典』上揭。
⦅二⦆
- 反切
- 『集韻・平三・先・蹁』蒲眠切
- 『五音集韻・中平聲卷第四・仙第十一・並四便』房連切
- 聲母
- 並(重唇音・全濁)
- 等呼
- 四
- 日本語音
- ヘン(推)
- 義
- 蹁に同じ。
- 釋
- 『集韻』
蹁徧: 蒲眠切。『說文』「足不正也。一曰柂後足馬。」一曰蹁躚旋行也。或作徧。文三十一。
- 『康煕字典』上揭。
⦅三⦆
- 反切
- 『集韻・平三・㒨・篇』紕延切
- 『五音集韻・中平聲卷第四・仙第十一・滂四篇』芳連切
- 聲母
- 滂(重唇音・次清)
- 等呼
- (重紐)四
- 日本語音
- ヘン(推)
- 義
- 偏に同じ。
- 釋
- 『集韻』
偏徧: 『說文』頗也。又姓、史游章有偏呂張。亦作徧。
- 『康煕字典』上揭。
解字
白川
形聲。聲符は扁。
『說文』徧字條に帀るなり
とあつて、周匝の意とする。
『詩・邶風・北門』室人交徧讁我
(室人交々徧く我を讁む)とは、人みなの意。
遍は徧の後起の字で、『廣韻』などに至つて見える。
藤堂
徧は彳(いく)と音符扁の會意兼形聲。扁は戶と冊の會意で、平らな物の代表を擧げて、薄く平らな意を示した。徧は、平らに廣く行き渡ること。
遍は辵と音符扁(平らに擴がる)の會意兼形聲。
漢字多功能字庫
遍は古く徧に作る。普遍、周遍(あまねく行き渡る)の意。『廣韻』に俗に遍に作るといふ。
屬性
- 徧
- U+5FA7
- JIS: 1-84-34
- 遍
- U+904D
- JIS: 1-42-55
- 當用漢字・常用漢字