旃 - 漢字私註
説文解字
旗曲柄也。所以旃表士衆。从㫃丹聲。『周禮』曰、通帛爲旃。諸延切。
- 七・㫃部
旃或从亶。
説文解字注
旗典柄也。『漢・田蚡傳』曰、前堂羅鐘𡔷、列曲旃。蘇林云、禮、大夫立曲旃。曲旃、柄上曲也。按蘇林所據禮正與『周禮〔春官〕司常』孤𨜮建旜、『〔同・夏官〕大司馬』帥都載旜、合。帥都、遂大夫也。『左傳〔昭二十年〕』曰、昔我先君之田也、旃以招大夫。正謂大夫用旃也。『庸風〔干旄〕傳』曰、干旄、大夫之旃。『子虛賦』靡魚須之橈旃。張揖曰、以魚須爲柄。師古曰、橈旃卽曲旃也。所㠯旃表士衆。旃當爲展。以疊韵爲訓。聘禮曰、使者載旜。《注》云、載之者、所以表識其事也。及竟張旜誓。《注》云、張旜、明事在此國也。此與仲秋治兵載旜皆展表士衆之義。从㫃丹聲。諸延切。十四部。叚借爲語助。如尙愼旃哉。《傳》曰旃、之也。『周禮』曰、通帛爲旃。『司常』職文。郭云、通帛謂大赤。從周正色。無飾。『爾雅〔釋天〕』因章曰旃。郭云、因絳帛之文章。不復畫之。
或从亶。亶聲也。『周禮』『禮經』皆如此作。
康煕字典
- 部・劃數
- 方部・六劃
『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤諸延切、音饘。『說文』旗曲柄也、所以旃表士衆、【周禮】曰、通帛爲旃。○按『周禮・春官』司常、今作旜。『爾雅・釋天』因章曰旃。《註》以帛練爲旒、因其文章、不復畫之。『釋名』旃、戰也。戰戰恭已而已也。三孤所建、象無事也。『左傳・昭二十年』旃以招大夫。
又『博雅』旃、之也。『詩・魏風〔陟岵〕』上愼旃哉。『左傳・桓九年』〔註1〕虞公求旃。
又『小爾雅』旃、焉也。『詩・唐風』舍旃舍旃。《箋》旃之言焉也。
又『爾雅・釋天』太歲在乙曰旃蒙。
又『史記・匈奴傳』被旃裘。『前漢・王褒傳』夫荷旃被毳者。
又『韻補』叶之人切。『陸雲・夏府君誄』廣命俊乂、惟弓與旃。震我聲敎、遇響惟殷。
- 部・劃數
- 方部・八劃
『篇海』同旃。『正字通』俗旃字。
- 部・劃數
- 方部・十五劃
『唐韻』『集韻』『正韻』𠀤諸延切、音饘。『說文』旃、或从亶。『周禮・春官・司常』通帛爲旜。《註》通帛、謂大赤、從周正色。『又』孤卿建旜。《註》孤卿不畫、言奉王之政敎而已。
音訓・用義
- 音
- セン(漢、呉) 〈『廣韻・下平聲・仙・𩜾』諸延切〉[zhān]{zin1}
- 訓
- はた。これ。
赤い旗を指す。
また近稱の指示詞や、助辭に用ゐる。
また氈と通じ、毛織物を指す。
解字
白川
『説文解字』に旗の曲柄なるものなり。士衆を旃表する所以なり
といふ。
曲旃は大夫の用ゐるもの。『周禮・春官・司常』(上揭)に通帛を旜と爲す
とあり、通帛とは大赤、畫飾のない赤旗。
金文にも《麥尊》に侯、赤旂舟に乘る
、また《番生𣪘》に「朱旂旜」を賜ふ例がある。旜が旃の初文。
『詩・魏風・陟岵』(上揭)に上はくは旃れを愼めや
のやうに、旃を「これ」の意に用ゐる。『左傳』によると、それは晉の地方の方言。「之焉」の合音に當たるものであらう。
藤堂
㫃(旗)と音符丹の會意兼形聲。丹は、四角い掘り井戸の中から丶印の丹砂(朱砂)が出て來るさまを示す會意字。旃は、赤い旗のこと。
漢字多功能字庫
旃はまた旜に作り、古代の赤色で飾り無く柄の曲がつた旗を指す。
屬性
- 旃
- U+65C3
- JIS: 1-58-51
- 𣃼
- U+230FC
- 旜
- U+65DC