推 - 漢字私註
説文解字
排也。从手隹聲。
- 十二・手部
説文解字注
排也。今、六脂、十五灰、殊其音義。古無二音二義也。从手隹聲。他回切。十五部。按『廣韵』叉隹、湯回二音。
康煕字典
- 部・劃數
- 手部八劃
『唐韻』他回切『集韻』『韻會』『正韻』通回切、𠀤退平聲。『說文』排也。『增韻』盪也、擠也。一曰進之也。『禮・月令』孟春躬耕帝籍、天子三推、三公五推、卿諸侯九推。『左傳・襄十四年』或輓之、或推之。《註》前牽爲輓、後送爲推。
又移也。『詩・大雅』旱旣太甚、則不可推。《疏》不可令之移去矣。推是遠離之辭。
又讓所有以予人也。『史記・淮隂侯傳』解衣衣我、推食食我。『後漢・光武紀』推赤心置人腹中。
又卻也、諉也。
又『唐韻』昌錐切『集韻』『韻會』川錐切、𠀤音䜅。順遷也。『易・繫辭』寒暑相推、而歲成焉。
又『增韻』擇也、獎也、奉也。亦進之也。『書・周官』推賢讓能、庶官乃和。『禮・儒行』上弗援、下弗推。《註》推猶進也。《疏》不爲民下所薦舉也。『前漢・韓信傳』家貧無行、不得推擇爲吏。《註》無善行可推舉選擇也。
又尋繹也。『前漢・劉向傳贊』有意其推本之也。《註》言其究極根本、深有意也。
一曰窮詰也。『史記・酷吏傳』天水駱璧推減。《註》推、直追反、謂推繫之以成獄也。減一作成。
音訓
- 音
- タイ(漢、呉) 〈『廣韻・上平聲・灰・𨌴』他回切〉[tuī]{teoi1}
- スイ(漢、呉) 〈『廣韻・上平聲・脂・推』叉隹切〉
- 訓
- おす。うつす(推移)。すすめる(推獎)。
解字
白川
形聲。聲符は隹。隹に進、誰、應など、鳥占の俗を示す字がある。推に推測、推察の意があるのも、その俗と關係があらう。
『説文解字』に排するなり
と推排の義とするが、推知、推進を原義とする字であらう。
藤堂
手と音符隹の會意兼形聲。隹は、ずんぐりと下ぶくれした鳥の姿。推は、ずつしりと重みや力を掛けて推すこと。
漢字多功能字庫
- 『左傳・襄公十四年』
夫二子者、或輓之、或推之、欲無入、得乎?
- 唐・韓愈〈南山詩〉
褰衣步推馬、顛蹶退且後。
- 元喬吉〈折桂令‧宴支園桂軒〉曲
碧雲窗戶推開、便敲竹催茶。
また轉じて推廣(普及)、擴展(擴大、擴張)の意。
- 『禮記・祭義』
推而放諸東海而準。
孫希旦集解推、謂其進不已。
- 『孟子・梁惠王上』
故推恩足以保四海。
また轉じて讓る意。
- 『史記・淮陰侯列傳』
解衣衣我、推食食我。
- 『南史・垣護之傳』
鎮之又推齋屋三間與之、亦不肯受。
また推算、推測を表す。
- 『淮南子・本經訓』
星月之行、可以曆推得也。
- 唐・韓愈〈論佛骨表〉
湯孫太戊在位七十五年、武丁在位五十九年、書史不言其年壽所極、推其年數、蓋亦俱不減百歲。
また推薦、推擧を表す。
- 『書・周官』
推賢讓能、庶官乃和。
- 『續資治通鑒・宋太宗淳化四年』
眾推其黨李順為帥。
屬性
- 推
- U+63A8
- JIS: 1-31-68
- 當用漢字・常用漢字