進 - 漢字私註

説文解字

進
登也。从省聲。
辵部

康煕字典

部・劃數
辵部八劃
古文
𨙟
𨗃

『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤卽刃切、音晉。『說文』登也。『玉篇』升也。『廣韻』前也。『禮・曲禮』遭先生于道、趨而進。『表記』君子三揖而進。《註》人之相見、三揖三讓、以升賔階。『書・盤庚』乃登進厥民。《疏》延之使前而告之也。

又『正韻』薦也。『禮・儒行』推賢而進達之。

又『正韻』效也。『禮・樂記』禮減而進、以進爲文。《註》自勉强也。『易・乾卦』君子進德修業、欲及時也。

又近也。『禮・檀弓』兄弟之子猶子也。蓋引而進之也。

又進士。『禮・王制』大樂正論造士之秀者、以告于王、而升諸司馬、曰進士。《註》進士、可進而受爵祿也。

又特進。『後漢・和帝紀』賜諸侯王公將軍特進。《註》諸侯功德優盛、朝廷所敬異者賜位特進。

又與餕同。『禮・祭統』百官進徹之。《註》進同餕。

又『字彙補』與盡同。『列子・黃帝篇』竭聰明、進智力。

又通作薦。『列子・湯問篇』穆王薦之、張註薦當作進。

又『集韻』徐刃切『正韻』齊進切。𠀤與贐同。會禮也。『前漢・高帝紀』蕭何爲主吏主進。《註》主賦斂禮錢也。師古曰、進本作贐、聲轉爲進。

又叶資辛切、音津。『揚子・太玄經』陽引而進、物出溱溱。

部・劃數
辵部二十劃

『玉篇』古文字。註詳八畫。

部・劃數
辵部十二劃

『集韻』古作𨗃。註詳八畫。

異體字

簡体字。

音訓

シン(漢、呉) 〈『廣韻・去聲・震・晉』即刃切〉[jìn]{zeon3}
すすむ(前進)。すすめる(進上、進呈)。

解字

白川

形聲。聲符は

『説文解字』にすすむるなり、『玉篇』にすすむるなり、のぼすなり、登むるなりとあつて、進饌の意とする。

字はもと進退に關して、鳥占によつてことを決する意であらう。鳥占の俗には、軍事に關することが多く、例へば鷹狩りによつて神意の應答を試みるなどのことも行はれた。

藤堂

(鳥)の會意で、鳥が飛ぶやうに前に進むことを表す。

漢字多功能字庫

甲骨文はに從ふ。隹は尾の短い鳥に象り、止は足の形に象る。鳥は前に進むの意と解ける。

進の本義は前進。隹は聲符である外、鳥は後退することができないことによる(參・何琳儀)。商代の族徽金文と甲骨文は同形。西周金文はいづれもと隹に從ふ。止や辵に從ふ字は多く步む、行くの意を有す。

學者は多く甲骨文では進獻を表すとする(劉興隆、陳秉新)。《合集》32535甲戌卜、進、燎于且(祖)乙。

【補註1】落合は《合集》32535の同部分を甲戌卜惟止燎于祖乙と(甲骨文字全文検索データベース+α)、隹(釋字は惟)と止を一字の構成要素ではなく別々の字と解する。

【補註2】落合は別に、隹に從ひ止聲と推定される亡失字が甲骨文にあつたとする。

金文での用義は次のとほり。

楚簡では進步、前進を表す。

屬性

U+9032
JIS: 1-31-42
當用漢字・常用漢字
𨙟
U+2865F
𨗃
U+285C3
U+8FDB