辵 - 漢字私註

説文解字

辵
乍行乍止也。从。凡辵之屬皆从辵。讀若『春秋公羊傳』曰、辵階而走。
辵部

康煕字典

部・劃數
部首

『廣韻』丑略切『集韻』敕略切、𠀤音㲋。『說文』乍行乍止也。

又『六書故』循道疾行也。

又與躇通。『公羊傳・宣六年』躇階而走。《註》躇、一作辵。

『六書正譌』从彳从止、會意。隸作辶。有與足𧺆彳三部相通者。互見本註。

音訓

チャク(漢、呉) 〈『廣韻・入聲・藥・㲋』丑略切〉
はしる

解字

白川

の會意。彳は小徑、止は趾、步行する意。

『説文解字』にたちまち行き、乍ち止まるなり。とするが、止は𢓊く意。

遣、追、遹、遺には彳に從ふもの、また、復、に、辵に從ふ形につくるものがある。

『説文解字』に讀みて、『春秋公羊傳』に、階をえて走ると曰ふがごとくす。とあり、今本は辵を躇につくる。階を上るとき、一足づつ揃へて上ることを拾級、左右を一段づつ上るのを歷階、その歷階をこえることを辵(躇)といふ。いま本邦の神社や、特定の儀禮のときに拾級を用ゐるが、それはもと支那の古法である。

藤堂

(十字路の半分)と足の形()の會意。漢字を組み立てる際、足で行はれる動作を表す。

落合

步行、進行を象徵することの多いに、同じく進行を象徵する足の形のを加へた形。

屬性

U+8FB5
JIS: 1-92-51

関聯字

辵に從ふ字

説文解字・辵部のほか、以下の字など。