絞 - 漢字私註
説文解字
縊也。从交从糸。
- 十・交部
説文解字注
縊也。《糸部》縊下曰、縊、絞也。二篆爲轉注。古曰絞曰縊者、謂㒳繩相交。非獨謂經死。『禮喪服』絞帶者、繩帶也。㒳繩相交而緊謂之絞。『論語〔泰伯〕』直而無禮則絞。『〔同・陽貨〕』好直不好學、其蔽也絞。馬融曰、絞、剌也。鄭云、急也。剌、盧達切。乖剌也。與鄭義無異。急則無不乖剌者也。皇侃、陸德明乃讀爲譏刺。七賜反。其繆甚矣。从交糸。會意。交糸者、㒳絲相切也。此篆不入糸部者、重交也。交亦聲。古巧切。二部。
康煕字典
- 部・劃數
- 糸部・六劃
『廣韻』『正韻』古巧切『集韻』吉巧切、𠀤音狡。『說文』縊也。『玉篇』繞也。『廣韻』縛也。『左傳・哀三年』若其有罪、絞縊以戮。《註》絞、所以縊人物。
又『論語』直而無禮則絞。《何晏註》絞、絞剌也。《疏》絞、剌人之非也。
又國名。『左傳・桓十一年』鄭人軍于蒲騷。將與隨、絞、州、蓼伐楚師。《註》絞、國名。
又姓。『廣韻』出『何氏姓苑』。
又『集韻』『韻會』𠀤何交切、音爻。『禮・玉藻』絞衣以裼之。《註》絞、蒼黃之色也。
又『禮・喪大記』小斂布絞。《註》絞、旣斂所用束堅之者也。『釋名』已衣所以束之曰絞。絞、交也、交結之也。
又『集韻』居效切、音敎。繒黑黃色。
異體字
簡体字。
音訓・用義
- 音
- (1) カウ(漢) 〈『廣韻・上聲・巧・絞』古巧切〉[jiǎo]{gaau2}
- (2) カウ(漢) 〈『集韻』何交切、音爻、平聲肴韻〉[xiáo]{haau4}
- 訓
- (1) くびる。しめる。しぼる。
- (國訓) しぼり
音(2)は蒼黃色、萌黃色に用ゐる。
本邦の資料には壓搾の意を國訓とするが、支那の資料にも壓搾の意を示す。
解字
白川
形聲。聲符は交。交は人が足を組む形。交結の意がある。
『説文解字』に縊るなり
とあり、益の初形は絲を縊る形。そのやうにして絞首することをいふ。
藤堂
糸と音符交の會意兼形聲。交は、人が足を交叉させたさまを描いた象形字。絞は、紐を交叉させて兩方から引き絞ること。
漢字多功能字庫
糸に從ひ交聲。本義は二本あるいは多數の絲が絡み合つてなつた紐のこと。
- 『禮記・雜記上』
環絰
孔穎達疏知以一股所謂纏絰者、若是兩股相交、則謂之絞。
- 『儀禮・喪服・子夏傳』
絞帶者、繩帶也。
- 『玉篇・交部』
絞、絢絞。繩索也。
絞殺、紐で首を絞めて窒息させることを表す。『説文解字』縊也。
- 『左傳・哀公二年』
若其有罪、絞縊以戮。
- 『戰國策・秦策五』
應侯欲伐趙、武安君難之、去咸陽七里、絞而殺之。
- 隋唐期の死刑の一つ。
- 『隋書・刑法志』
其刑名有五。一曰死刑二、有絞、有斬。
- 『唐律・死刑二・絞斬疏議』
絞、斬之坐、刑之極也。
- 『隋書・刑法志』
纏繞(纏ひ附くこと)を表す。『玉篇・糸部』絞、繞也。
- 『墨子・節葬下』
葛以緘之、絞之不合。
- 唐・柳宗元〈晉問〉
晉之北山有異材……根絞怪石、不土而植、千尋百圍、與石同色。
纏繞の義から壓搾、ねぢる、しぼる意を派生する。
- 『關尹子・二柱』
木之為物鑽之得火、絞之得水。
- 北魏・賈思勰『齊民要術・種棗』
生布絞取濃汁、塗盤上或盆中。
また急切を表す。
- 『論語・陽貨』
好直不好學、其蔽也絞。
邢昺疏絞者、絞切也。
- 『左傳・昭公元年』
叔孫絞而婉。
杜預注絞、切也。
また蒼黃色を表す。『集韻・爻韻』絞、蒼黃色。
- 『禮記・王藻』
絞衣以裼之。
鄭玄注絞、蒼黃之色也。
- 『後漢書・文苑列傳』
諸史過者、皆令脫其故衣、更著岑牟單絞之服。
また古い國名。今の湖北省鄖縣西北に在つた。
- 『左傳・桓公十一年』
鄖人軍於蒲騷、將與隨、絞、州、蓼伐楚師。
- 『左傳・桓公十二年』
伐絞之役、楚師分涉於彭。
屬性
- 絞
- U+7D5E
- JIS: 1-25-42
- 當用漢字・常用漢字
- 绞
- U+7EDE