谿 - 漢字私註

説文解字

谿
山瀆无所通者。从聲。
十一谷部

説文解字注

谿
山𨽍無所通者。𨽍各本作瀆。今正。《𨸏部》曰、𨽍、通溝也。讀若洞。古文作豄。『〔爾雅〕釋山』曰、山豄無所通、谿。然則許作𨽍明矣。从谷奚聲。苦兮切。十六部。

康煕字典

部・劃數
谷部・十劃

『唐韻』苦兮切『集韻』『韻會』『正韻』牽奚切、𠀤音溪。『說文』山瀆无所通者。『爾雅・釋水』水注川曰谿。《疏》杜預曰、谿、亦㵎也。李巡曰、水出於山入於川曰谿。宋均曰、有水曰谿、無水曰谷。『左傳・隱三年』㵎谿沼沚之毛。『荀子・勸學篇』不臨深谿、不知地之厚也。

又弩名。『戰國策』谿子少府。《註》谿子、弩名。少府所造、射六百步之外。『淮南子・俶眞訓』登千仞之谿。《註》谿、蠻夷也。以柘桑爲弩。一曰谿、子國名。又陽匠名。

又獸名。『山海經』天帝山有獸、狀如狗、名曰谿邊。《註》或作谷遺。

又地名。『史記・吳太伯世家』楚復來伐、次于乾谿。《註》楚東境。又姓。『莊子・田子方』田子方侍坐于魏文侯、數稱谿工。又複姓。『潛夫論』吳夫槩王奔楚棠谿、因以爲氏。

又通作。『馬融・長笛賦』臨萬仞之石磎。《註》磎同谿。『廣韻』或作

又『集韻』堅奚切、音雞。『類篇』蠰谿、土螽、似蝗而小。

又弦雞切、音奚。義同。

部・劃數
石部・十劃

『廣韻』苦奚切『集韻』『韻會』『正韻』牽奚切、𠀤音鸂。同谿。『爾雅・釋水』水注川曰谿。『說文』山通者。『馬融・長笛賦』瀆無所臨、萬仞之石磎。

又地名。『水經』濟水又東至北礫磎。

部・劃數
山部・十劃

『廣韻』苦奚切、同谿

部・劃數
水部・十劃

『廣韻』苦奚切『集韻』『韻會』牽奚切。𠀤與谿同。『說文』山瀆無所通者。又水注川曰谿。

『廣韻』或作

異體字

いはゆる新字体。

音訓

ケイ(漢) 〈『廣韻・上平聲・齊・谿』苦奚切〉[xī/​qī]{kai1}
たに。たにがは。

解字

白川

形聲。溪の正字は谿に作り、聲。字はまた磎に作る。

『説文解字』に山瀆の通ずる所無き者なりといふのは、舟行しがたい谿谷の意。

谿壑といふとき、谿は小さな流れの集まるところ、壑は空谷で大壑をいふ。

左傳・隱三年』(上揭)㵎谿沼沚の毛とは、祭祀に供する溪谷などの水草をいふ。

藤堂

と音符(絲で繫ぐ、細い)の會意兼形聲。絲が繫がるやうな細い谷。

古くはqī、今はxīと讀む。

漢字多功能字庫

溪はに從ひ聲。本義は山間の小さい川、谷川。もと谿に作る。『左傳・隱公三年』澗、溪、沼、沚之毛……可薦於鬼神、可羞於王公。

廣く小川を指すこともある。唐・溫庭筠〈河傳・湖上〉若耶溪、溪水西、柳堤。不聞郎馬嘶。

屬性

谿
U+8C3F
JIS: 1-76-16
U+78CE
JIS: 2-82-50
JIS X 0212: 48-8
U+5D60
JIS X 0212: 27-57
U+6EAA
JIS: 1-62-68
U+6E13
JIS: 1-23-44
常用漢字

關聯字

別字。谷ではなく𧮫に從ふ。