紲 - 漢字私註

説文解字

紲
系也。从聲。『春秋傳』曰、臣負羈紲。
十三糸部
緤
紲或从

説文解字注

紲
犬系也。犬字各本無、今補。『〔禮記〕少儀』犬則執緤。牛則執紖。馬則執靮。《注》曰、緤、紖、靮皆所以繫制之者。按許以此篆次於牛系、牛𦆕之後。其爲用『少儀』顯然也。緤本犬系。引申之、馬亦曰紲。故上文繮下曰、馬紲也。若紲本謂馬、則宜次於繮篆後矣。从糸世聲。私列切。十五部。『春秋傳』曰、臣負羈紲。春秋・僖卄四年・左傳』文。服虔注曰、一曰犬韁曰紲。古者行則有犬。按如服說、則紲之本義也。如杜說紲馬韁、則紲引申之義也。服云犬韁。許云馬紲。文意正同。
緤
紲或从枼。枼亦世聲也。

康煕字典

部・劃數
糸部・五劃

『廣韻』『集韻』『韻會』𠀤私列切、音薛。『說文』系也。或从枼作。『玉篇』馬韁也。凡繫縲牛馬皆曰紲。

又『詩・鄘風』蒙彼縐絺、是紲袢也。《疏》紲袢者、去熱之名。

又『周禮・冬官考工記・弓人』恆角而達、辟如終紲、非弓之利也。《註》紲、弓䪐。

又『前漢・揚雄傳』亶觀夫票禽之紲隃。《註》師古曰、紲與跇同。

『廣韻』紲亦作。俗作靾。

部・劃數
糸部・九劃

『廣韻』『集韻』𠀤私列切、音薛。『正韻』先結切、音屑。『說文』、或从枼。『禮・少儀』犬則執緤。《註》所以繫制之者。『前漢・賈誼傳』若夫束縛之、係緤之。《註》緤、謂以長繩係之也。『屈原・離騷』登閬風而緤馬。《註》緤、繫也。

部・劃數
糸部・六劃

『廣韻』『集韻』𠀤同。『正韻』紲或作絏。『玉篇』繫也。『小爾雅』摎而紾之爲絏。『五經文字』絏本从世、緣廟諱偏傍、今經典共準式例變。『左傳・僖二十六年』臣負羇絏。《註》絏、馬韁。『說文』引『左傳』作紲。『論語』雖在縲絏之中。『何晏註』絏、攣也。

又『集韻』以制切、音曳。袣亦作絏。

異體字

簡体字。

音訓

セツ(漢) 〈『廣韻・入聲・薛・薛』私列切〉[xiè]{sit3}
きづな。つなぐ。

解字

白川

形聲。聲符は。世に泄の聲がある。

『説文解字』に系なりとし、『左傳・僖二十四年臣負羈紲(臣、羈紲を負ふ)の文を引く。羈紲は馬の手綱。

禮記・少儀』に犬則執紲(犬には則ち紲を執る)とあり、犬にもいふ。

獄に繫がれることを縲紲といふ。

紲袢は夏の薄い肌襦袢で、また別義。

唐太宗の諱(世民)を避けて、泄を洩、紲を絏に作り、その字體の字も用ゐられてゐる。

藤堂

紲はと音符の形聲。長い紐をつけて引つ張ること。

絏は糸と音符曳(橫に引き伸ばす、引つ張る)の會意兼形聲。橫に引つ張る意を含む。

緤は糸と音符(薄い物が重なる)の會意兼形聲。紲が本字。絏とも書く。

漢字多功能字庫

紲はまた緤に作り、牲畜を牽引する繩索を指す。

屬性

U+7D32
JIS: 1-69-8
U+7DE4
JIS: 1-69-42
U+7D4F
JIS: 1-69-18
U+7EC1