茻 - 漢字私註

説文解字

茻
眾艸也。从四。凡茻之屬皆从茻。讀與冈同。
茻部

説文解字注

茻
眾艸也。按經傳艸莽字當用此。从四屮。凡茻之屬皆从茻。讀若與冈同。謂其讀若與冈之讀若同也。模朗切。十部。

康煕字典

部・劃數
艸部・六劃

『集韻』文紡切、音惘。『說文』衆草也、从四屮、凡茻之屬皆从茻、讀與冈同。自爲部。『正字通』入艸部。『六書正譌』衆草也、象形。別作𦷶、訓逐兔艸中也、非艸、茻之義。

又『廣韻』模朗切、音莽。義同。

又『通志・六書略』茻、蕨類、繁薈而叢生。

又滿補切、音姆。莫後切、音晦。義𠀤同。『玉篇』作𦬠

部・劃數
艸部・四劃

『玉篇』同

部・劃數
艸部・三劃

『篇海類篇』同。○按卽𦬠字譌省。

部・劃數
補遺・艸部

『直音』同

の或體とする資料もあり、按ずるにその方が妥當か。

音訓

バウ(漢) 〈『廣韻・上聲・蕩・莽』模朗切〉[mǎng]

解字

白川

會意。四に從ふ。

『説文解字』に衆艸なりとする。

『説文解字・艸部』の部末にある芥以下の五十三文について、茻に從うて大篆(籀文)の字形であるといふ。《石鼓文》に茻に從ふ形の字が多く、これらは秦篆の字であらう。

【補註】『説文解字・芥字條』の直前に左文五十三、重二、大篆从茻とする。

藤堂

會意。(草)を四つに合はせたもの。あるいは二の會意。覆ひ被さる雜草を示し、の原字。また、葬などに意符として含まれる。

落合

甲骨文や金文の段階では茻は單獨では使はれてをらず、篆文に初出。草叢を意味するの略體であらう。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文に、單獨使用の茻は見えず、普通はただ偏旁でのみ用ゐる。四に從ひ、多くの草の意と解く。

曾侯乙墓竹簡第143簡に、茻と𠄠に從ふ字形がある。何琳儀『戰國古文字典』はこれを茻字とし、二艸の間の𠄠を飾りとする。該當字は簡文で人名に用ゐられ、未だ確かな證據はない。

屬性

U+833B
𦬠
別字衝突
U+26B20
𦬇
U+26B07
𦷶
U+26DF6

關聯字

別字。あるいは𦬠に作る。