藏 - 漢字私註

説文解字

藏
匿也。臣鉉等案、『漢書』通用字。从、後人所加。昨郎切。
艸部新附

康煕字典

部・劃數
艸部・十四劃
古文

『唐韻』昨郞切『正韻』徂郞切、𠀤音鑶。『說文』匿也。『易・乾・文言』潛龍勿用、陽氣潛藏。

又蓄也。『易・繫辭』君子藏器于身、待時而動。

又兹郞切、音臧。草名。『司馬相如・子虛賦』其埤濕、則生藏莨、蒹葭。《註》藏莨、草中牛馬芻。

又才浪切、音臓。『禮・月令』謹蓋藏。『晉語』文公之出也、豎頭須、守藏者也、不從。

又與臟通。『周禮・天官・疾醫』參之以九藏之動。《註》正藏五、又有胃、膀胱、大腸、小腸。《疏》正藏五者、謂心、肝、脾、肺、腎、𠀤氣之所藏。『白虎通』人有五藏六府、何法、法五行六合也。

『說文』【漢書】通用

異體字

或體。いはゆる新字体。

音訓・用義

(1) ザウ(呉) サウ(漢) 〈『廣韻・下平聲・唐・藏』昨郎切〉[cáng]{cong4}
(2) ザウ(呉) サウ(漢) 〈『廣韻・去聲・宕・藏』徂浪切〉[zàng]{zong6}
(1) かくす(藏匿)。かくれる。をさめる(收藏)。たくはへる(貯藏)。
(2) くら

西藏(チベット)は音(2)に讀む。

解字

白川

形聲。聲。

『説文解字・新附』にかくすなりと訓ずる。徐鉉の案語に『漢書』に通じて臧を用ふ。艸に從ふは、後人の加ふる所なり。といふ。

禮記・檀弓上』に葬也者、藏也。藏也者、欲人之弗得見也。(葬なる者は藏なり。藏なる者は、人の見るを得ざることを欲するなり。)と、葬の義を以て説く。俘囚を祓ふときには、死葬の禮を加へることがあるので、臧獲の臧の字説として、參考することができよう。

藏には古い字形がなく、そのに從ふ意を確かめがたい。

と聲義の關係があるやうである。

藤堂

と音符の形聲。艸は收藏する作物を示す。臧の原義とは關係ない。

漢字多功能字庫

藏に隱匿、掩埋(埋める、埋葬する)の意がある。

『説文解字・新附』藏、匿也。昨郎切。 徐鉉注『漢書』通用臧字。从艸、後人所加。徐氏の言ふところには理があり、睡虎地や馬王堆で出た簡帛資料を調べると、その中六十個を超える藏字をほぼすべてに作る。『左傳・ 文公十八年』掩賊為藏

このほか、藏はまた葬と通ず。二者はいづれも掩埋の意を有し、故に同源字の關係がある。

屬性

U+85CF
JIS: 1-73-22
人名用漢字
U+8535
JIS: 1-34-2
當用漢字・常用漢字