窳 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
污窬也。污窬、葢與污衺同。亦謂下也。以衺與窊同韵。窬與窳同韵。故分別其辭也。『史記〔五帝紀〕』舜陶河濱。器不苦窳。裴駰曰、窳、病也。按器窳者、低陷之謂。亦汙窬之意也。『〔爾雅〕釋詁』曰、窳、勞也。郭云、勞苦者多惰窳。『大雅〔召旻〕毛傳』曰、訿訿、窳不供事也。『史記〔貨殖傳〕』啙窳偷生。晉灼曰、啙、病也。窳、惰也。許於《此部》啙下亦云窳也。葢卽用毛傳。《毛詩》訿卽啙也。此等窳皆訓惰嬾。亦皆污窬引伸之義。釋玄應屢引揚承慶『字統』說。懶者不能自起。如瓜瓠在地不能自立、故字从㼌。又嬾人恒在室中、故从穴。夫穴訓土室。不必从宀而後爲室也。而『〔詩・大雅〕召旻・正義』曰、艸木皆自豎立。惟瓜瓠之屬臥而不起。似若嬾人常臥室、故字从宀。宀音眠。此亦用『字統』說。而與玄應所據有異。且陸氏『釋文』、孔氏『正義』皆引『說文』窳、嬾也。而『說文』無此語。聞疑載疑。不敢於《宀部》妄補窳篆。
从穴㼌聲。以主切。古音在四部。按『字統』說、㼌爲會意。許則云形聲。
朔方有窳渾縣。朔方郡窳渾縣。『〔漢書〕地理志』有。『〔後漢書〕郡國志』無。『讀史方輿紀要』曰、故窳渾城在故夏州西北。漢縣。故夏州城在榆林衞西北二百里。
康煕字典
- 部・劃數
- 穴部・十劃
『唐韻』以主切『集韻』『韻會』勇主切、𠀤庾上聲。『說文』汚窬也。器空中。亦病也、惡也。惰也。『史記・五帝紀』器不苦窳。又『貨殖傳』以故呰窳。《徐廣曰》呰窳、茍且惰懶之謂。
又弱也。『枚乗・七發』手足惰窳。《李善註》窳、弱也。
又地名。『前漢・地理志』朔方郡有窳渾縣。又『西域傳』康居有小王五、三曰窳匿王、治窳匿城。『山海經』汾水出上窳北、而西南注河。
又獸名。『山海經』少咸之山、有窫窳、咸山有合窳、皆人面獸、食人。又『字彙補』容朱切、音兪。鄕名、在絳。
亦通作愉。『爾雅・釋詁』愉、勞也。《註》勞苦者多惰愉。今字或作窳。
又『集韻』與窪同。
又烏瓜切、音蛙。汚衺下也。與窊同。
音訓義
- 音
- ユ(漢)(呉)⦅一⦆
- ユ(推)⦅二⦆
- ワ(推)⦅三⦆
- 訓
- ゆがむ。よわい。⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・上聲・麌・庾』以主切
- 『集韻・上聲上・噳第九・庾』勇主切
- 『五音集韻・上聲卷第七・麌第七・喻・四庾』以主切
- 聲母
- 喩(喉音・次濁)
- 等呼
- 四
- 官話
- yǔ
- 粤語
- jyu5
- 日本語音
- ユ(漢)(呉)
- 訓
- ゆがむ
- よわい
- 義
- くぼんでゐる。
- 器が歪んでゐたり傷があつたりする。
- 粗末。粗惡。
- 器が空つぽである。
- 怠惰。
- 弱い。
⦅二⦆
- 反切
- 『集韻・平聲二・虞第十・俞』容朱切
- 『五音集韻・上平聲卷第二・虞第八・喻・四逾』羊朱切
- 聲母
- 喩(喉音・次濁)
- 等呼
- 四
- 日本語音
- ユ(推)
- 義
鄉名、在絳。
(『集韻』)
⦅三⦆
- 反切
- 『集韻・平聲三・麻第九・窊』烏𤓰切
- 『五音集韻・中平聲卷第四・麻第十七・影・二窊』烏𤓰切
- 聲母
- 影(喉音・全清)
- 等呼
- 二等
- 日本語音
- ワ(推)
- 義
- 窊に同じ。『集韻』に窊を亦た窳に作るとする。
解字
白川
形聲。聲符は㼌。㼌は成熟しない瓜で、不整形の意がある。
『説文解字』に汚き窬なり
とあり、窪地をいふ。
『荀子・議兵』械用兵革窳楛不便利者弱
(械用兵革、窳楛にして便利ならざる者は弱し)の《注》に窳とは器の病なり
とあり、いびつの狀態のものをいふ。
また手足の不自由な意に用ゐる。
『説文解字』は穴部にまた窊を錄し汚衺、下きなり
とあり、聲義ともに窳と通ずる字。
藤堂
屬性
- 窳
- U+7AB3
- JIS: 1-89-53
- JIS X 0212: 49-63