豬 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
豕而三毛叢凥者。凥舊作居、今正。三毛叢凥、謂一孔生三毛也。說見蘇頌『本艸圖經』犀下。今之豕皆然。
从豕者聲。陟魚切。五部。
康煕字典
- 部・劃數
- 豕部・九劃
『唐韻』陟魚切『集韻』『韻會』張如切、𠀤著平聲。『說文』豕而三毛叢居者。『爾雅・釋獸』豕子豬。《註》今亦曰彘、江東呼豨、皆通名。『揚子・方言』吳揚之閒謂之豬子。『埤雅』豬性𤰞而率。『揚子・太玄經』出野見虛、有虎牧豬。
又山豬、卽豪豬也。詳前豪字註。
又嶺南有嬾婦豬。『桂海虞衡志』嬾婦似山豬而小、喜食禾。田夫以機軸織絍之器掛田所、則不復近。
又貓豬。『楊愼・丹鉛錄』毛犀卽彖也。善知吉凶、古人呼爲貓豬、交廣人謂之豬神。
又石豬。『蜀志』蜻蛉縣有石豬、子母數千頭、傳言夷昔牧豬于此、一朝豬化爲石。
又官名。『魏志・東夷傳』夫餘國以六畜名官、一曰豬加。
又草名。『博雅』伏豬、木禾也。
又藥名。『本草綱目』陶弘景曰、豬苓、其塊黑似豬屎、故名。互詳前豕豨二字註。
又山水名。『山海經』渠豬之山、渠豬之水出焉、而南流注于河。
又湫名。『北夢瑣言』邛州有湫、有牝豕出入、號豬龍湫。
又州名。『唐書・地理志』豬拔州、隸隴右道。
又『廣韻』豬口、地名。亦作䐗。『晉書・甘卓傳』軍次豬口。又『閔公承傳』作䐗口。
又『韻會』通作瀦、水所停也。『書・禹貢』大野旣豬。《孔傳》大野、澤名。水所停曰豬。《蔡傳》水蓄而復流者、謂之豬。『左傳・襄二十五年』規偃豬。《註》下濕之地。
又孟豬、澤名。通作諸。『書・禹貢』被孟豬。《蔡傳》地志、在梁國睢陽東北、今南京虞城縣西北孟諸澤是也。『左傳・僖二十八年』及『爾雅・釋地』作孟諸。
又『字彙補』照迦切、音遮。『左傳・定十四年』宋野人歌曰、旣定爾婁豬、盍歸吾艾豭。干寶讀。
『廣韻』俗作猪。
- 部・劃數
- 犬部・九劃
『廣韻』俗豬字。
廣韻
- 卷・韻・小韻
- 上平聲・魚・豬
- 反切
- 陟魚切〔音1〕
『爾雅』云、豕子豬。
陟魚切。六。
- 卷・韻・小韻
- 上平聲・魚・豬
- 反切
- 陟魚切〔音1〕
俗。
集韻
- 卷・韻・小韻
- 平聲一・魚第九・豬
- 反切
- 張如切〔音1〕
張如切。
『說文』豕而三毛叢居者。
或从犬、从肉〔䐗〕。
文十。
音訓義
- 音
- チョ(漢)(呉)⦅一⦆
- 訓
- ゐ。ゐのこ。ゐのしし。⦅一⦆
- 官話
- zhū⦅一⦆
- 粤語
- zyu1⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・上平聲・魚・豬』陟魚切〔廣韻1〕
- 『集韻・平聲一・魚第九・豬』張如切〔集韻1〕
- 『五音集韻・上平聲卷第二・魚第七・知・三豬』陟魚切
- 聲母
- 知(舌上音・全清)
- 官話
- zhū
- 粤語
- zyu1
- 日本語音
- チョ(漢)(呉)
- 訓
- ゐ
- ゐのこ
- ゐのしし
- 義
- 本邦ではゐのししを指す。
- 支那ではぶたを指し、あるいはゐのししを含む。ゐのししは野猪といふ。特にぶたに限定する場合には家猪といふ。
解字
白川
形聲。者聲。者に著、褚の聲がある。
『説文解字』に豕にして三毛叢居なる者なり
といふ。《段注》に「叢居」を「叢尻」にして、一孔に三毛を生ずる意であるとする。
犀もまた一孔三毛であるといふ。
藤堂
豕と音符者(充實する、太る)の會意兼形聲。からだの太つたゐのしし。
漢語多功能字庫
豕に從ひ者聲。本義は豚。古代には豬と豕は相通じ、二字は方言によつて分かれる。
『方言・八』豬、北燕朝鮮之間謂之豭、關東西或謂之彘、或謂之豕。南楚謂之豨、其子或謂之豚、或謂之貕、吳揚之間謂之豬子。
豬と豕はただ方言で分かれる。『説文解字』豬,豕而三毛叢居者。(後略)
《段注》三毛叢居、謂一孔生三毛也。
按ずるに、豬の一つの毛穴から三條の毛が生えるとは、いはゆる「豪」あるいは「鬣」、つまり豚の首に生える硬い鬃毛(たてがみ)のことで、その形の驃悍なることが分かる。
金文では人名に用ゐる。二十七年上守趞戈漆工師豬。
秦簡では本義に用ゐ、豚を指す。《睡虎地秦簡・封診式》簡76上如豬竇狀
の「豬竇」とは豚の棲む洞穴のこと。
屬性
- 豬
- U+8C6C
- JIS: 1-76-23
- 猪
- U+FA16 (CJK互換漢字)
- JIS: 1-87-79
- 人名用漢字
- 猪︀
- U+732A U+FE00
- CJK COMPATIBILITY IDEOGRAPH-FA1A
- 猪󠄀
- U+732A U+E0100
- CID+8581
- 猪󠄃
- U+732A U+E0103
- MJ030212
- 猪
- U+732A
- JIS: 1-35-86
- 人名用漢字