這 - 漢字私註
康煕字典
- 部・劃數
- 辵部・七劃
『廣韻』魚變切『集韻』牛堰切、𠀤音彥。〔音1〕『玉篇』迎也。『正字通』【周禮〔秋官〕】有掌訝、主迎。訝古作這。毛晃曰、凡稱「此箇」爲「者箇」、俗多攺用這字。這乃迎也。
異體字
簡体字。
音訓義
- 音
- ゲン(漢)(呉)⦅一⦆
- ゲン(推)⦅二⦆
- シャ⦅三⦆
- 訓
- むかへる⦅一⦆⦅二⦆
- これ⦅三⦆
- この⦅三⦆
- はふ⦅四⦆
- 官話
- yàn⦅一⦆
- zhè⦅三⦆
- zhèi⦅三⦆
- 粤語
- jin6⦅一⦆
- ze3⦅三⦆
- ze5⦅三⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・線・彦』魚變切
- 『集韻・去聲下・綫第三十三・彦』魚戰切
- 『五音集韻・去聲卷第十一・線第十一・疑・三彦』魚變切
- 聲母
- 疑(牙音・全濁)
- 開合
- 開
- 等呼
- (重紐)三
- 推定中古音
- ŋɪɛn
- 官話
- yàn: 藤堂に據る
- 粤語
- jin6
- 日本語音
- ゲン(漢)(呉)
- 訓
- むかへる
- 釋
- 『廣韻』
這: 迎也。
- 『集韻』
這: 行也、迎也。
- 『康煕字典』上揭。
⦅二⦆
- 反切
- 『集韻・去聲上・願第二十五・𤬝』牛堰切
- 『五音集韻・去聲卷第十一・願第七・疑・三𤬝』語堰切
- 聲母
- 疑(牙音・全濁)
- 等呼
- 三
- 日本語音
- ゲン(推)
- 訓
- むかへる
- 釋
- 『集韻』
這: 迎也。
⦅三⦆
- 反切
- 『五音集韻・去聲卷第十一・禡第十七・照・三柘』之夜切
- 聲母
- 照(正齒音・全清)
- 等呼
- 三
- 官話
- zhè
- zhèi: 這一の合音であるといふ
- 粤語
- ze3
- ze5 (又音)
- 日本語音
- シャ
- 訓
- これ
- この
- 補註
- 藤堂は、宋代に「これ」「この」の意の語を「遮個」「適個」と書き、その遮や適の草體を誤つて這と混同した、と説く。
⦅四⦆
- 國訓
- はふ
解字
白川
形聲。聲符は言。古くは言聲に讀み、迎へる意の字であつたとされるが、その用例を見ない。
唐以後、「這の」の意に用ゐ、這般、這箇のやうにいふ。
國語では「這ふ」といふ動詞に用ゐる。
藤堂
辵(足の動作)と音符言(かどめをつけて言ふ)の會意兼形聲で、かどめの立つた挨拶を述べるために出ていくこと。
漢語多功能字庫
本義は代詞となし、比較的近い時間、地點あるいは事物を指し、那と相對す。這は、甲骨文、金文、及び『説文解字』には見えず。『增韻・馬韻』這、凡稱此箇為者箇,俗多改用這。
この説に據れば、這は合音の詞。唐・盧仝〈送好約法師歸江南〉為報江南三二日、這回應見雪中人
。
また金や元曲の文理的な襯字で、語句の間に位置し、實義は無い。元・關漢卿『謝天香』待道是癲狂睡囈、兀的不青天這白日。
屬性
- 這
- U+9019
- JIS: 1-39-71
- 人名用漢字
- 这
- U+8FD9