箕 - 漢字私註

説文解字

箕

簸也。从𠀠、象形、下其也。凡箕之屬皆从箕。居之切。

箕部
𠀠

古文箕省。

𠷛

亦古文箕。

𠔋

亦古文箕。

𠔝

籒文箕。

別條に揭出する。
𠥩

籒文箕。

説文解字注

箕

所㠯簸者也。所㠯者三字今補。全書中所㠯字爲淺人刪者多矣。『〔詩〕小雅〔大東〕』曰、維南有箕。不可以簸揚。『廣韵』引『世本』曰、箕帚、少康作。按簸揚與受𡊅皆用箕。

从竹𠀠。象形。丌其下也。四字依『韵會』本。今各本丌下互譌。居之切。一部。

𠀠

古文箕。象形不用足。今之箕多不用足者。

𠷛

亦古文箕。下象竦手。

𠔋

亦古文箕。此象箕之哆口。

𠔝

籒文箕。依大徐作籒。按經籍通用此字爲語詞。渠之切、或居之切。

𠥩

籒文箕。从匚。會意。《匚部》曰、𠥓、籒文匚。

康煕字典

部・劃數
竹部八劃
古文
𠀠
𠴩
𦋊
𥫶
𠷛
𠔋
𥫚
𠔛
𡿸

『廣韻』『集韻』『韻會』居之切『正韻』堅溪切、𠀤音姬。宿名。『詩・小雅』成是南箕。《傳》南箕、箕星也。正義曰、箕、四星、二爲踵、二爲舌、踵在上、舌在下、踵狹而舌廣。『韻會』箕者、萬物根基、東方之宿、考星者多驗於南方、故曰南箕。『爾雅・釋天』析木之津、箕斗之閒、漢津也。《疏》天漢在箕斗二星之閒、箕在東方木位、斗在北方水位。分析水木、以箕星爲隔。隔河須津梁以渡、故此次爲析木之津。『史記・天官書』箕爲敖客、曰口舌。《註》敖、調弄也。箕以簸揚調弄爲象。又受物有去來。去來、客之象。箕爲天口、主出氣、是箕有舌、象讒言。『石氏星經』箕四宿、主後宮別府二十七世婦八十一御妻、爲相天子后也。『書・洪範註』好風者箕星、好雨者畢星。『春秋緯』月麗于畢、雨滂沱。月麗于箕、風揚沙。『天官書』箕、燕之分野。

又『篇海』箕、簸箕、揚米去糠之具。

又『廣韻』箕、箕帚。『禮・曲禮』凡爲長者糞之禮必加帚於箕上。『世本』古者少康作箕帚。

又國名。『書・洪範』王訪于箕子。《註》箕、國名。子爵也。

又地名。『山海經』釐山西二百里曰箕尾之山。『春秋・僖三十三年』晉人敗狄于箕。《註》太原陽邑縣南有箕城。『孟子』益避禹之子於箕山之隂。《疏》箕山、嵩高之北是也。『前漢・地理志』琅琊有箕縣。『水經注』濰水出箕屋山。

又姓、晉有大夫箕鄭。

又斯螽別名。『周禮・考工記疏』幽州人謂斯螽爲舂箕。

又木名。『鄭語』檿弧箕服。『韋註』箕、木名。服、矢房也。

又『張衡・思玄賦』屬箕伯以函風兮。《註》箕伯、風師。

部・劃數
八部・五劃

『集韻』古作𠔋。註見竹部八畫。

部・劃數
八部八劃

『說文』古文字。註詳竹部八畫。

部・劃數
口部八劃

『篇海』古文字。註詳竹部八畫。『正字通』說文𠴩讀若杞、長踞也。己、古文作𢀒、因譌爲口、列口部、非。『說文』㠱、讀若杞。

部・劃數
口部・九劃

『集韻』古作𠷛。註詳竹部八畫。

部・劃數
巛部・六劃

『字彙補』古文字。註詳竹部八畫。

部・劃數
竹部二劃

『字彙補』古文字。註見八畫。

部・劃數
竹部三劃

『集韻』古作𥫶。註詳八畫。

部・劃數
竹部六劃

『集韻』直例切、音滯。以竹補缺也。

又『玉篇』古文字、註見八畫。

部・劃數
网部・八劃

『玉篇』古文字。註詳竹部八畫。

異體字

『説文解字』の重文第一。

『康煕字典』に箕の古文として擧げるが、見出しには採らず。

『説文解字』の重文第五。

音訓

キ(漢、呉) 〈『廣韻・上平聲・之・姬』居之切〉[jī]{gei1}

解字

を加へた繁文。其字の原義の箕を表す。

白川

形聲。聲符は。其は箕の初文でその象形、箕はその形聲字。

金文の字形には、箕を簸揚する形、また女を加へるものなどがある。

藤堂

會意兼形聲。は四角い箕の形を描いた象形字。箕は更にを添へたもの。

落合

甲骨文はの初文(𠀠に當たる)とに從ひ、箕を兩手で持つ形。𠀠亦聲。箕で集める物を小點で表した字形が多い。

【補註】 小點を加へた形を、漢字多功能字庫は、箕、糞の兩字條で甲骨文として擧げる。

甲骨文では地名に用ゐる。主に王の田獵地として記されている。《懷特氏等所藏甲骨文集》1626・末尾驗辭丙戌卜在箕、丁亥、王陷、禽。

初文が「其」の形に當たり、原義については篆文で材料であるを意符として加へた「箕」が作られた。

漢字多功能字庫

甲骨文、早期金文は𠀠につくる。即ち字で、簸箕の形を象る。甲骨文には𠀠の下に兩手を加へ、手で箕を捧げる形を象るものがある。しかし、甲骨文、金文で既に虛詞に用ゐ、箕の義には用ゐない。後にを義符に加へる。

屬性

U+7B95
JIS: 1-44-7
人名用漢字
𠔋
U+2050B
𠔛
U+2051B
𠴩
U+20D29
𠷛
U+20DDB
𡿸
U+21FF8
𥫚
U+25ADA
𥫶
U+25AF6
U+41E7
𦋊
U+262CA
𠀠
U+20020
𠥩
U+20969