圍 - 漢字私註
説文解字
守也。从囗韋聲。羽非切。
- 六・囗部
説文解字注
本文には異同なく、註には羽非切。十五部。
といふのみ。
康煕字典
- 部・劃數
- 囗部・九劃
- 古文
- 囗
『唐韻』羽非切『集韻』于非切、𠀤音韋。『說文』守也。
又繞也。『易・繫辭』範圍天地而不過。《註》周備也。範、如金之有模範。圍、匡郭也。
又『詩・商頌』帝命式于九圍。《註》分天下爲九處、若規圍然。
又環也。『周禮・夏官・環人註』環猶圍也、主圍賔客、任器爲之守衞。
又遮取禽獸。『禮・曲禮』國君春田不圍澤。《註》春育之時、不合圍盡收之也。又『王制』天子不合圍。《註》言不四面圍之也。
又環繞攻城。『春秋・提要註』環其城邑曰圍。又『周禮・春官・大宗伯』以禬禮哀圍敗。《註》謂其國見圍入、而國被禍敗也、喪失財物、則同盟之國會合財貨歸之、以更其所喪也。
又『韻會』五寸曰圍、一抱曰圍。『莊子・人閒世』櫟、社樹、其大蔽牛、絜之百圍、散木也無所用、故壽。
又縣名。『後漢・郡國志』圍縣、屬涼州武威郡。
又與韋通。『前漢・成帝紀』大風拔木、十韋以上。
又與衞通。『管子・地員篇』山藜葦芒、羣藥安聚、以圍羣殃。《註》圍同衞。
又『唐韻』『集韻』𠀤于貴切、音謂。繞也。
異體字
簡体字。
いはゆる新字体。
音訓
- 音
- ヰ(漢) 〈『廣韻・上平聲・微・幃』雨非切〉[wéi]{wai4}
- 訓
- かこふ。かこむ。かこみ。めぐる。ふせぐ。まもる。
解字
白川
形聲。聲符は韋。韋は城郭を示す囗の上下に足の形を加へて、城郭を違る形で、攻め圍む意。更に外圍の囗を加へた。
藤堂
囗(かこむ)と音符韋の會意兼形聲。韋は口印の周圍を左足と右足が回つてゐるさまを示す會意字。韋が身體に卷き附ける鞣し革の意に轉用されたため、圍が原義を繼いだ。
落合
漢字多功能字庫
金文は囗に從ひ韋聲。本義は包圍。庚壺齊三軍圍釐(萊)
。圍は韋の後起の字で、韋は衆人が城邑を包圍する形を象り、本義は包圍。後に韋を人名、地名、あるいは皮韋、皮革に用ゐるので、囗を加へて圍字を造つた。『左傳・隱公五年』宋人伐鄭、圍長葛。
以下、用義。
- 防ぎ守ること。『公羊傳・莊公十年』
戰不言伐、圍不言戰。
何休注以兵守城曰圍。
- 包むこと、周りを取り卷くこと、圍み巡らすこと。
- 『易・繫辭上』
範圍天地之化而不過。
- 宋・王安石『陰漫漫行』
少留燈火就空床、更聽波濤圍野屋。
- 『易・繫辭上』
- 周圍。元王實甫『西廂記』第4本第3摺
四圍山色中、一鞭殘照裏。
- 狩獵地を圍といふ。晉・張協〈七命〉
於是撤圍頓罔、卷旆收鳶。
- 土石や樹木で構成された防禦施設を表す。『三國志・吳志・陸遜傳』
敕軍營更築嚴圍。
- 圍田を指す。『續資治通鑒・宋孝宗淳熙十年』
廬州管下亦有三千六百圍、皆瀕江臨湖、號稱沃壤。
- 周圍の長さを計る單位。
- 『墨子・備城門』
木大二圍。
- 後に量詞に用ゐる。『紅樓夢』第5回
木上懸着一圍玉帶。
- 『墨子・備城門』
屬性
- 圍
- U+570D
- JIS: 1-52-3
- 围
- U+56F4
- 囲
- U+56F2
- JIS: 1-16-47
- 當用漢字・常用漢字