二 - 漢字私註
説文解字
地之數也。从偶一。凡二之屬皆从二。
- 十三・二部
古文。
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
- 古文
- 弍
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤而至切、音樲。地數之始、卽偶之兩畫而變之也。『易・繫辭』分而爲二、以象兩。『左傳・定四年』衞侯將會、使祝佗從。佗曰、若又共二徼大罪也。《註》謂兼二職。『荀子・議兵篇』權出於一者强、權出於二者弱。『史記・韓信傳』功無二於天下。『前漢・嚴助傳』詔曰:子在朕前之時、知略輻輳、以爲天下少雙、海內寡二。
又巽二、風神名。
又古貨布文帝字。見『六書略』。
𠄠字上下畫均齊。上畫短者、乃古文上字也。今相仍上短下長作二字、非。
- 部・劃數
- 弋部二劃
『說文』古文二字。註詳部首。
音訓
- 音
- ニ(呉) ジ(漢) 〈『廣韻・去聲・至・二』而至切〉
- 訓
- ふたつ。ふたたび。
解字
指示字。橫劃二劃で2を表す。
白川
指示。橫線二を以て、數の二を示す。算木を二本竝べた形。卜文、金文は同樣の方法で一から四までの數字を示す。
『説文解字』の釋は『易・繫辭上』に天一地二
とあるのによる。
古文の字は弍につくり、金文では比例や分數的表示のときにその字を用ゐることがある。
藤堂
指示。二本の橫線を竝べたさまを示すもので、二つの意を示す。
弍は弋(棒杭)と音符二で、二本竝んだ棒を示す。
落合
指示。橫線が二本で數字の二を示す。
甲骨文での用義は次のとほり。
- ふたつ。《合集補編》100
彡夕、二羊、二豕宜。
- 二番目。《合集補編》313
生二月、先不其[屮戈]。
- 二示
- 示壬(『史記』では主壬。湯王の祖父に當たる。)、示癸(『史記』では主癸。湯王の父に當たる。)の總稱。
- 甲骨文には示に祖先神を數へる助數詞の用法があり、二柱の意でも用ゐられる。
- 《合集》32349
辛亥卜、乇上甲牛、三匚羊、二示羊。
- 二告
- 兆辭の一種。卜兆發現時の音が二回以上したことであらう。
- 二祖辛
- 二番目の辛名の王である小辛の別稱。《合集》27340
庚戌卜、其侑歳于二祖辛、叀牡。
漢字多功能字庫
二劃を重ねて數となし、數字の二を表す。二字の兩劃は長さが等しく、上、下と區別される。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 數詞に用ゐる。
- 基數(事物の個數)を表す。《合集》22048
牛二。
- 序數を表す。第二の意。《合集》3246
今二月。
- 基數(事物の個數)を表す。《合集》22048
- 常に二を配する語がある。
- 「二方」は方國名。
- 「二司」は祭祀の對象。
金文では數詞に用ゐる。
- 五祀衛鼎
于卲(昭)大(太)室東逆(朔)營二川。
は、昭王太室の東北では二つの川を管理するの意。 - 㝬簋
隹(唯)王十又(有)二祀。
古人は一祀で一年を表し、故にこの二も數詞である。
按ずるに金文の二に、二と戈と貝に從ふ書き方があり、後に省いて戈と二に從ふ形につくる。古文字に多く戈と弋を誤り、『説文解字』の所收する古文はまさしく弋と二に從ふ。
屬性
- 二
- U+4E8C
- JIS: 1-38-83
- 當用漢字・常用漢字
- 弍
- U+5F0D
- JIS: 1-48-17
関聯字
- 貳
- 大字。