包 - 漢字私註
説文解字
象人褢妊、巳在中、象子未成形也。元气起於子。子、人所生也。男左行三十、女右行二十、俱立於巳、爲夫婦。褢妊於巳、巳爲子、十月而生。男起巳至寅、女起巳至申。故男秊始寅、女秊始申也。凡包之屬皆从包。布交切。
- 九・包部
説文解字注
妊也。二字各本無。今推文意補。下文十三字乃說字形、非說義、則必當有說義之文矣。《女部》曰、妊者、孕也。《子部》曰、孕者、褢子也。引伸之爲凡外裹之偁。亦作苞。皆假借字。凡經傳言苞苴者、裹之曰苞。藉之曰苴。
象人褢妊。在中、象子未成形也。勹象褢其中。巳字象未成之子也。勹亦聲。布交切。古音在三部。
元气起於子。子、人所生也。子下曰、十一月陽气動。萬物滋。人以爲偁。
男左行三十、女右行二十、俱立於巳、爲夫婦。左右當作𠂇又。男自子左數次丑、次寅、次卯爲左行。順行。凡三十得巳。女自子右數次亥、次戌、次酉爲右行。逆行。凡二十亦得巳。至此會合。故周禮令男三十而娶。女二十而嫁。是爲夫婦也。
褢妊於巳、巳爲子。下巳字衍。《巳部》曰「巳者、巳也。四月陽气巳出、陰气巳藏、萬物見、成文章。」故夫婦會合而褢妊。是爲子也。十月而生。十月上當有子字。『〔大戴禮記〕易本命』曰「天一地二人三。三三而九、九九八十一。一主日、日數十、故人十月而生。」
男起巳至寅、女起巳至申、故男年始寅、女年始申也。『淮南・氾論』曰、禮三十而娶。高云、三十而娶者、陰陽未分時俱生於子。男從子數左行三十年立於巳。女從子數右行二十年亦立於巳。合夫婦。故聖人因是制禮。使男三十而娶。女二十而嫁。其男子自己數左行十得寅。故人十月而生於寅。男子數從寅起。女自己數右行十得申。亦十月而生於申。故女子數從申起。高說與許說同。『神仙傳・王綱』云「陽生立於寅、純木之精。陰生立於申、純金之精。夫以木投金、無往不傷。」是以金不爲木屈、而木常畏於金。按今日者卜命。男命起寅。女命起申。此古法也。自元气至此、又詳說从巳之意。
凡包之屬皆从包。
康煕字典
- 部・劃數
- 勹部三劃
『廣韻』布交切『集韻』班交切、𠀤音苞。『說文』包、象人褱姙。已在中、象子未成形也。元氣起於子。子、人所生也。男左行三十、女右行二十、俱立於巳、爲夫婦褱姙於巳。巳爲子、十月而生、男起巳至寅、女起巳至申、故男年始寅、女年始申也。
又容也。『易・泰卦』九二包荒、用馮河。
又裹也。『書・禹貢』包匭菁茅。『禮・樂記』倒載干戈、包以虎皮。又『前漢・班固敘傳』包漢舉信。《註》劉德曰:包、取也。
又通作苞。叢生也。『書・禹貢』草木漸包。
又姓。『廣韻』楚大夫申包胥之後。漢有大鴻臚包咸。
又山名。『山海經註』吳縣南、太湖中包山下有洞庭穴、號爲地脈。
又『集韻』『正韻』𠀤蒲交切、音咆。『集韻』匏亦作包。
又庖通作包。『易・姤卦』包有魚。『繫辭』古者包犧氏之王天下也。
又『韻補』房尤切、音浮。地名。【春秋〔隱八年〕】公及莒人盟于包來。左氏作孚。【通雅】古呼包如孚、脬與胞、桴與枹、莩與苞、浮與抱之類、同原相因、故互通。
又叶補苟切、褒上聲、裹也。『詩・召南』野有死麕、白茅包之。有女懷春、吉士誘之。
音訓
- 反切
- 『廣韻・下平聲・肴・包』布交切
- 『集韻・平聲三・爻・包』班交切
- 官話
- bāo
- 粤語
- baau1
- 日本語音
- ハウ(漢) ヘウ(呉)
- 訓
- つつむ。つつみ。
解字
白川
象形。人の腹中に胎兒のある形に象る。
『説文解字』に人の褢妊するに象る。巳、中に在り、子の未だ成らざる形に象る。元气は子に起る。子は人の生まるる所なり。
とし、なほ十二支との関聯を説くが、關係のないことである。
うちに包藏する意より、包括、包圍の意となる。
藤堂
象形。身體の出來かけた胎兒(巳)を、子宮膜の中に包んで身籠もるさまを描いたもの。胞の原字。
落合
つつむ意に用ゐる勹の繁文。(『甲骨文字辞典』勹字條)
巳の部分は子を略體化したもの。(『漢字字形史小辞典』子字條)
漢字多功能字庫
金文は勹と巳に從ひ勹亦聲。巳は未だ形成らざる子。勹は胎衣。包は胎兒が胎衣の中にある形を象り、本義は包孕。包は胞の初文(林義光、馬敍倫、楊樹達)。
小篆は金文の形を承ける。本義の包孕より、包裹、包括、包含などの義を派生する。
金文では苞苴を表すと疑はれる。牧簋令女(汝)辟百寮(僚)、有冋(尚)事包、廼多亂
。包は苞苴を指し(郭沫若)、饋贈、賄賂のこと。全句で、汝に百官を管理することを命ず、賄賂を以て良い情況にしようとする者があるやうで、屹度多亂であらう、の意。
漢帛書では包圍を表す。《馬王堆帛書・戰國縱橫家書》第230行秦以三軍功(攻)王之上常(黨)而包其北。
「包其北」は、その北面を包圍するの意。《馬王堆・老子乙本卷前古佚書》第168行盈四海之內、又包其外。
は、四海の内に充滿し、また四海の外を包圍するの意。
屬性
- 包
- U+5305
- JIS: 1-42-81
- 當用漢字・常用漢字
- 包󠄁
- U+5305 U+E0101
- CID+14019
- 包󠄃
- U+5305 U+E0103
- MJ007757
関聯字
包に從ふ字を漢字私註部別一覽・勹部・包枝に蒐める。