豈 - 漢字私註

説文解字

還師振旅樂也。一曰欲也、登也。从省聲。凡豈之屬皆从豈。
豈部

康煕字典

部・劃數
豆部三劃

『廣韻』袪俙切『集韻』『韻會』去幾切、𠀤音䔇。『說文』還師振旅樂也。又欲也、登也。《徐曰》今借此爲語詞。『玉篇』安也、焉也。『廣韻』曾也。『增韻』非然之辭。『書・五子之歌』怨豈在明。『詩・召南』豈不夙夜。《傳》豈不、言有是也。

又『集韻』『正韻』𠀤可亥切、音鎧。與凱愷𠀤通。軍勝之樂也。又樂也、和也。○按經傳凱歌、凱風、愷悌、樂愷皆借豈。古凱、愷、豈音義通、今分爲二。

『字彙』[⿱山一]从耑省。[⿳口丷一]从豆省。俗作山頭、非。『同文舉要』豈同剴、亦非。

異體字

簡体字。

音訓

(1) キ(漢)
(2) ガイ(慣) カイ(漢・呉)
(1) あに
(2) かちどき。たのしむ。

解字

白川

象形。軍鼓の形であるの上に、羽飾りなどを飾る形。苗族の樂器である銅鼓を示す南の古い字形にも、上端兩旁に羽飾りを加へた形のものがある。

説文解字に、師を還すときの振旅の樂なりとあり、凱の初文と見て良い。

藤堂

象形。に良く似た形で、神樂の太鼓を立てた姿を描いた象形字であらう。もと賑やかな軍樂のこと。

のち、その音を借りて指示詞のに當て、指示、強調を加へて反問する語氣を表す。「其れ天に非ずや」は、「豈に天に非ずや」と同じ。

漢字多功能字庫

豈は戰勝の後樂を奏し歡び祝ふことを表し、凱旋の凱の初文。豈の金文は(鼓の初文)に從ひ、太鼓を叩いて音を鳴らすことを表す。

豈は轉じて樂しむの意。『詩・小雅・魚藻』王在在鎬、豈樂飲酒。鄭玄箋豈、亦樂也。 陸德明釋文豈、本亦作愷、同。苦在反。樂也。王は鎬京に在り、飲酒を樂しむ、の意。

屬性

U+8C48
JIS: 1-76-17
U+5C82

関聯字

豈に從ふ字

豈聲の字