故 - 漢字私註
説文解字
使爲之也。从攴古聲。古慕切。
- 三・攴部
説文解字注
使爲之也。今俗云原故是也。凡爲之必有使之者。使之而爲之則成故事矣。引伸之爲故舊。故曰、古、故也。『墨子・經上』曰、故、所得而後成也。許本之。从攴。取使之之意。古聲。古慕切。五部。
康煕字典
- 部・劃數
- 攴部・五劃
『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤古暮切、音顧。『說文』使爲之也。《註》徐鍇曰、故使之也。
又『廣韻』事也。『易・繫辭』是故知幽明之故。《疏》故、謂事也。
又『廣韻』舊也。『易・雜卦』革、去故也。鼎、取新也。『周禮・天官・大宰』以八統詔王馭萬民、二曰敬故。《註》不慢舊也。
又『書・大禹謨』𠛬故無小。《傳》故犯雖小、必𠛬。
又『禮・曲禮・疏』故者、承上起下之語。
又『禮・檀弓』非有大故、不宿於外。《註》大故、謂喪憂。
又『前漢・藝文志』魯故二十五卷。《註》師古曰、故者、通其指義也。今流俗毛詩、攺故訓傳爲詁字、失眞。
又『前漢・蘇武傳』前以降及物故、凡隨武還者九人。《註》師古曰、物故、謂死也。言其同於鬼物而故也。
又『荀子・王霸篇』不隆本行、不敬舊法、而好詐故。《註》故、巧也。
又『韻補』叶攻乎切、辜也。『賈誼・弔屈原文』般紛紛其離此尤兮、亦夫子之故也。歷九州而相其君兮、何必懷此都也。○按『史記』故作辜。
又叶果五切。『東方朔・客難』悉力慕之、困於衣食、或失門戸、使蘇秦、張儀與僕𠀤生於今之世、曾不得掌故。
音訓
- 音
- コ(漢) 〈『廣韻・去聲・暮・顧』古暮切〉[gù]{gu3}
- 訓
- ふるい(温故)。こと(事故)。もと(故郷)。ゆゑ。ゆゑに。ことさらに(故意)。
解字
白川
古と攴の會意。古は祝禱を收める器の上に聖器としての干を加へ、その呪能を永く守る意。ゆゑに古久の意がある。それに攴を加へるのは、その呪能を殊更に害しようとするものであるから、字は故意、事故を原義とする。そのことが原因をなすので事由の意となる。
金文の《大盂鼎》に古に天、翼臨して子む
とあり、古を故の意に用ゐる。
また《小盂鼎》に厥の故を邎ふ
とは事由の意。
『周禮・天官・宮正』國有故
(國に故有り)とは、事故、禍殃のあることをいふ。
藤堂
攴(動詞の記號)と音符古の會意兼形聲。古は、固くなつた頭骨、または固い兜を描いた象形字。故は、固まつて固定した事實になること。
また、既に固まつて確立した前提を踏まへて、「そのことから」と繫げるので「ゆゑに」といふ意の接續詞となる。
漢字多功能字庫
金文は攴と古に從ひ、古は亦た聲符。構形初義不明。疑ふらくは本義は故舊(過去)。
金文では故舊を表す。中山王方壺郾故君子𨗥(噲)、新君子之。
また連詞に用ゐ、結果分句を連接する。中山王方壺故邦亡身死
、故辭豊(禮)敬則賢人至。
また人名に用ゐる。
屬性
- 故
- U+6545
- JIS: 1-24-46
- 當用漢字・常用漢字