域 - 漢字私註
説文解字
- 或の重文。
或又从土。臣鉉等曰、今無復或音。
- 十二・戈部
説文解字注
或或从土。旣从口从一矣。又从土。是爲後起之俗字。
康煕字典
- 部・劃數
- 土部・八劃
- 古文
- 㽣
- 䧕
- 𢨊
『唐韻』雨逼切『集韻』『韻會』『正韻』越逼切、𠀤音棫。〔音1〕邦也。區域也、界局也。『古氣墳』歸止居域。『詩・商頌』肇域彼四海。『周禮・地官・大司徒』以天下土地之圖、周知九州之地域、廣輪之數。
又宇內曰域中。『莊子・秋水篇』汎汎乎若四方之無窮、無所畛域。『淮南子・俶眞訓』至德之世、甘暝于溷澖之域。
又外國曰絕域。『前漢・武帝紀』詔州郡察吏民、有可爲將相、使絕域者。
又墓限曰域。『周禮・春官・冢人』掌公墓之地、辨其兆域。
又『集韻』乙六切、音郁。〔音2〕『謝惠連・雪賦』雪宮建于東國、雪山峙于西域。叶下竹。
- 部・劃數
- 土部・八劃
- 部・劃數
- 戈部・十二劃
『集韻』域、古作𢨊。註詳土部八畫。
- 部・劃數
- 田部・八劃
『玉篇』古文域字。註詳土部八畫。
- 部・劃數
- 阜部・八劃
『玉篇』古文域字。註詳土部八畫。
音訓義
- 音
- ヰキ(呉) ヨク(漢)⦅一⦆
- ヰク(推)⦅二⦆
- 訓
- さかひ⦅一⦆
- かぎる⦅一⦆
- 官話
- yù⦅一⦆
- 粤語
- wik6⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・入聲・職・域』雨逼切
- 『集韻・入聲下・職第二十四・或』越逼切
- 『五音集韻・入聲卷第十五・職第六・喻四域』雨逼切
- 聲母
- 喻(喉音・次濁)
- 等呼
- 四
- 官話
- yù
- 粤語
- wik6
- 日本語音
- ヰキ(呉)
- ヨク(漢)
- 訓
- さかひ
- かぎる
- 義
- 疆界。疆界でかぎること。
- 疆界の内側。地域。區域。領域。
- 汎く範圍の謂ひ。音域。流域。
- 墓地。
- 釋
- 『廣韻』
域: 居也、邦也。雨逼切。十四。
- 『集韻』
或域䧕𢨊㽣: 越逼切。『說文』邦也。从口从弋、以守一、一名也。或从土、从𨸏。古作𢨊㽣。文二十八。
- 『康煕字典』上揭。
⦅二⦆
- 反切
- 『集韻・入聲上・屋第一・㦽』乙六切
- 『五音集韻・入聲卷第十三・屋第一・影三郁』於六切
- 聲母
- 影(喉音・全清)
- 等呼
- 三
- 日本語音
- ヰク(推)
- 釋
- 『集韻』
域: 區處也。『莊子〔秋水〕』無所畛域。
- 『康煕字典』上揭。
解字
白川
形聲。聲符は或。
『説文解字』に或の重文として域を出だし、邦なり。囗に從ひ、戈に從ひ、以て一を守る。一は地なり。
といふ。
或は囗(城邑)を戈で守る形で、國の初文。その邑居の區域を域といふ。
藤堂
土と音符或の會意兼形聲。或は戈と囗(四角い範圍)の會意で、四角い場所を區切つて武器で守る意。或が有に借用され、「或人」の或に轉用されたため、域字で或の原義を表すやうになつた。囗印を加へた國と極めて近い。
落合
篆文に初出。或の繁文。
漢字多功能字庫
土と或に從ふ。『説文解字』は或の或體とする。或は多く虛詞に借用され、域で地域、領域を表す。
- 『周禮・地官・大司徒』
以天下土地之圖、周知九州之地域、廣輪之數、辨其山林川澤丘陵墳衍原隰之名物。
- 『韓非子・解老』
夫兕虎有域、動靜有時。避其域、省其時、則免其兕虎之害矣。
域はまた墓地を表す。『廣雅・釋丘』域、葬地也。
- 『詩經・唐風・葛生』
葛生蒙棘、蘞蔓于域。
鄭玄箋域、塋域也。
- 『顏氏家訓・終制』
若懼拜掃不知兆域、當築一堵低牆於左右前後、隨為私記。
屬性
- 域
- U+57DF
- JIS: 1-16-72
- 當用漢字・常用漢字
- 𡌳
- U+21333
- 𢨊
- U+22A0A
- 㽣
- U+3F63
- 䧕
- U+49D5