梅 - 漢字私註
説文解字
木部梅字條
枏也。可食。从木每聲。
- 六・木部
或从某。
木部某字條
- 某の重文。
古文某从口。
- 六・木部
康煕字典
- 部・劃數
- 木部七劃
- 古文
- 某
- 槑
『唐韻』莫杯切『集韻』『正韻』模杯切『韻會』謀杯切、𠀤音枚。或作槑、楳、亦作𣒫。『說文』枏也。『爾雅・釋木』梅、枏。『陸璣・條梅疏』似豫章大木也。又『書・說命』若作和羹、爾惟鹽梅。『禮・內則』梅諸。『名物疏』陸璣所釋有條有梅、自是枏木似豫章者。豫章、大樹可以爲棺舟者也。和羹之梅、籩實之乾䕩、似杏實酢者也。
又『爾雅・釋木』時、英梅。《註》雀梅。
又『爾雅・釋木』朹檕梅。《註》狀如梅、子赤色似小柰、可食。
又『埤雅』江、湘、兩浙四五月閒梅欲黃落、則水潤土溽、蒸鬱成雨、謂之梅雨。『四時纂要』閩人以立夏後逢庚入梅、芒種後逢壬出梅。
又楊梅、果名。『越郡志』會稽楊梅爲天下之奇。
又梅梅、猶昧昧、居喪之容也。『禮・玉藻』視容瞿瞿梅梅。
又州名、屬廣東。『南宋・地理志』改敬州爲梅州。
又姓。『廣韻』出汝南。漢梅福、梅鋗。
又『集韻』毋罪切、音浼。亦姓也。
- 部・劃數
- 木部九劃
與梅同。
- 部・劃數
- 木部・十劃
『玉篇』古文梅字。註見七畫。
廣韻
果名。
又姓。出汝南本。自子姓、殷有梅伯、爲紂所醢。漢有梅鋗。
異體字
いはゆる新字体。
音訓
- 音
- バイ(漢) マイ(呉) 〈『廣韻・上平聲・灰・枚』莫杯切〉
- 訓
- うめ
解字
白川
形聲。聲符は每。
説文解字に枏なり。食らふべし。木に從ひ、每聲。
とし、また楳を錄して某聲とする。前條に枏は梅なり
とあつて互訓。荊州では梅、揚州では枏といふ。
また某字條に酸果なり
とあり、某を楳の初文とする。某は金文では曰と木に從ひ、木の枝に願文をつけ、神に謀り禱る意で、謀の初文。
また梅の異文として用ゐられる槑は、説文解字では某の古文、『玉篇』には梅の古文として錄するが、槑は恐らく某の字形を竝べ記したもので、某の異文とすべく、これを梅字に用ゐるのは誤りであらう。
藤堂
木と音符每の會意兼形聲。每は、まげと音符母の會意兼形聲。母親がどんどん子を産むことを示す。梅は、多くの實をならせ、女の安産を助ける木。
漢字多功能字庫
梅字の古文は某に作り、樹上に酸つぱく甘い梅の實がなるさまを表す。後に木をさらに加へて楳字を作る。その後、聲符の每に換へて梅字を作り、そのまま今に至るまで用ゐられてゐる。
段玉裁は、梅は酸つぱい果の梅と解けるが、また枏(柟も同じ)、つまり楠と解けるとする。
屬性
- 梅
- U+FA44 (CJK互換)
- JIS: 1-85-69
- 人名用漢字
- 梅︀
- U+6885 U+FE00
- CJK COMPATIBILITY IDEOGRAPH-FA44
- 梅󠄀
- U+6885 U+E0100
- CID+13375
- 梅󠄃
- U+6885 U+E0100
- MJ030265
- 梅
- U+6885
- JIS: 1-39-63
- 當用漢字・常用漢字
- 楳
- U+6973
- JIS: 1-39-64
- 槑
- U+69D1
- JIS: 2-15-29
- JIS X 0212: 36-71