夂 - 漢字私註
説文解字
从後至也。象人兩脛後有致之者。凡夂之屬皆从夂。讀若黹。
- 五・夂部
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
『集韻』陟移切、音㨖。『說文』从後至也。象人兩脛後有推致之者。○按與夊字不同、夊右畫長出于外、夂右畫短縮于中。
又『集韻』古文終字。註詳糸部五畫。
音訓
- 音
- チ(漢、呉) 〈『廣韻・上聲・旨・黹』豬几切〉
解字
白川
象形。步の倒文である夅の上の部分。上から降りるときの後足で、降は神梯を下る形。
『説文解字』に後より至るなり
とし、人の兩脛、後より之れを致す者有るに象る。
といふが、平面のところを步く形ではない。
喬木に神靈の降ることを夆といひ、その山を峯といひ、その神を迎へることを逢、また靈氣の漂ふことを逢々といふ。
夂を單獨に用ゐることはない。
藤堂
象形。下向きの足の形を描いたもの。夅(降)、各(足が石につかへる)、夆(逢)などの上部に、足を示す印として用ゐられる。
夊は別字だが、のち混同した。
落合
夂は下に向けた足の形で、上向きの足の止とは反對に歸還や復路を象徵してゐる。甲骨文には單獨では見られない。
屬性
- 夂
- U+5902
- JIS: 1-52-73
關聯字
夂に從ふ字
- 各
- 𡕗
- 夆
- 夅
- 𡕒