尣 - 漢字私註

説文解字

尣
𡯂あるいは𡯁(尢)に作る。
𤿑、曲脛也。从、象偏曲之形。凡尣之屬皆从尣。
尣部
𡯪
古文从

説文解字注

尣
㝿也。各本少也字。遂不可讀。今補。㝿者、蹇也。尢本曲脛之偁。引申之爲曲脊之偁。故人部僂下曰。𡯭也。曲脛人也。人字依『九經字㨾』補。𤿑者多由曲脛。故言此爲下象偏曲張本。从大、象偏曲之形。謂从大而象一脛偏曲之形也。烏光切。十部。凡𡯁之屬皆从𡯁。
𡯪
篆文从㞷。篆文各本作古文。今正。尢者、古文象形字。𡯪者、小篆形聲字。此亦古文𠄞、篆文丄之例。必取古文爲部首者、以其屬皆从古文也。尪見工傳。『〔禮記〕檀弓』《鄭注》釋爲面鄉天。或云短小曰尪。本从𡉚聲。省作尪。

康煕字典

部・劃數
部首

『廣韻』『集韻』𠀤烏光切、音汪。『說文』跛曲脛也、本作、从大、象偏曲之形。《徐曰》大一足跛曲、或作𡯪。今文作

又『玉篇』僂也、短少也。『正字通』瘠病。

部・劃數
尢部七劃

『集韻』同

部・劃數
尢部四劃

『正字通』俗𡯪字。

部・劃數
尢部四劃

『正字通』同𡯪省。

部・劃數
尢部四劃

『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤烏光切。同𡯁。『說文』跛曲脛也、本作、今作尩。又『禮・檀弓』歲旱、𥠇公召縣子曰、吾欲暴尩而奚若。曰、天則不雨、而暴人之疾、子虐母、乃不可與。《註》尩者、疾病之人、其面向天暴之、冀天之哀其病而雨也。『左傳・僖二十一年』夏大旱、公欲焚巫尩。臧文仲曰、非旱備也、修城郭、貶食省用、務穡勸分。此其務也。巫尩何爲。

又羸弱也。『韓愈文』人固有尩羸而壽考。

又『韻會』或作匡。『荀子・正論篇』傴巫跂匡。讀作尩。亦作。《註》廢疾之人。𠀤與同。

部・劃數
人部・六劃

『正韻』與同。『荀子・王霸篇』賤之如㑌。

廣韻

曲脛俗作𡯁

異體字

或體。

音訓

ワウ(漢、呉) 〈『廣韻・下平聲・唐・汪』烏光切〉[wāng]{wong1}
くぐせ。よわい。

解字

白川

尩は形聲字。聲符は。もと聲に從ふ。㞷は往の初文。

字はもと尢、尣に作り、曲脛の人の象形。

舊くは癈疾の人を神の犧牲とすることがあつたので、巫尩といふ。

藤堂

尢・尣

象形。足が曲がつた人の姿を描いたもの。

尢(足の曲がつた人)と音符(枉。曲がる)の會意兼形聲。

屬性

𡯁
U+21BC1
U+5C22
JIS: 1-53-87
𡯪
U+21BEA
U+5C2B
JIS: 1-47-62
JIS X 0212: 26-80
U+5C2A
U+5C29
JIS: 2-8-14
JIS X 0212: 26-79
U+344C
U+5C23
JIS: 1-47-61
JIS X 0212: 26-77
𡯂
U+21BC2

關聯字

尣に從ふ字

説文解字・尣部』など。

漢字私註部別一覽・大部・尣枝に蒐める豫定。

其の他

別字。尤の異體字を尢に作る。

私註

尢と𡯁はほぼ同形の字。『康煕字典・尢部』に、部首字(尣の或體。本文書で扱ふ字。)と、尤の或體の二字を採錄する。JISでは例によつて區別されてゐない。𡯁はUnicodeのCJK擴張Bで追加されたものだが、原規格で尢と𡯁がどのやうに區別されてゐるのかは不詳。ネット辭書類では、日本語を扱ふものは尢も𡯁も尣の或體とする。中文を扱ふものは、中文版Wiktionaryは尢、𡯁とも尣の或體とするが、他は尢を尤の或體とし、𡯁を尣とするものが多い、との印象を受けた。なほ、𡯁を尤の或體に當てる事例は管見の限り未見。