紳 - 漢字私註

説文解字

紳
大帶也。从聲。
十三糸部

説文解字注

紳
大帶也。《巾部》下曰、紳也。與此爲轉注。《革部》下云、大帶也。男子帶鞶。婦人帶絲。帶下云、紳也。男子鞶帶。婦人帶絲。皆於古大帶革帶不分别。是其疏也。古有革帶以系佩韍。而後加之大帶。紳則大帶之垂者也。『〔禮記〕玉藻』曰、紳長制士三尺。子游曰、參分帶下、紳居二焉。《注》云、紳、帶之垂者也。言其屈而重也。許但云大帶。亦是渾言不析言。葢許意以革帶統於大帶。以帶之垂者統於帶。立言不分别也。从糸。大帶用素用練。故从糸。申聲。失人切。十二部。

康煕字典

部・劃數
糸部五劃

『廣韻』失人切『集韻』『正韻』升人切、𠀤音申。『說文』大帶也。『禮・內則』冠緌纓端、韠紳縉笏。《註》紳、大帶、所以自紳約也。『論語〔衞靈公〕』子張書諸紳。《疏》以帶束腰、垂其餘以爲飾、謂之紳。

又『博雅』紳、束也。

又『韻補』叶尸連切『韓愈・謝自然詩』奈何不自信、反欲從物遷。感傷遂成詠、昧者宜書紳。

異體字

簡体字。

音訓

シン(漢、呉) 〈『廣韻・上平聲・眞・申』失人切〉[shēn]{san1}
おほおび。つかねる。

解字

白川

形聲。聲符は。申はものを束ねること。申束する意がある。

『説文解字』に大帶なりとあり、大帶には素または練を用ゐた。

『詩・衞風・有狐』の《傳》に帶は衣を申束する所以なり、『禮記・少儀・注』に帶は自ら結束する所以なりといふ。

『論語・衞靈公』(上揭)子張れを紳に書すとは、大帶の垂れた餘りの部分に、孔子の語を急いで書き留めたことをいふ。

藤堂

(紐)と音符の會意兼形聲。申の甲骨文は、伸びてゆく稻妻を描いた象形字。但し篆文は𦥑(兩手)と印(眞つ直ぐ)の會意字で、手で眞つ直ぐに伸ばすことを示す。紳は、からだを眞つ直ぐ伸ばす帶。

漢字多功能字庫

に從ひ聲。本義は古代の士大夫が腰に卷き、一方の端を垂れ下げた大帶。『論語・衛靈公』子張書諸紳。邢昺疏此帶束腰、垂其餘以為飾、謂之紳。

約束(漢語では制約、制限、拘束の意)を表す。『韓非子・外儲說左上』『書』曰、紳之束之。宋人有治者、因重帶自紳束也。

また紳を著けた人、紳士を指す。宋岳珂『桯史・紫宸廊食』在汴京時、天造草昧、一日長春節、欲盡宴廷紳。

屬性

U+7D33
JIS: 1-31-34
當用漢字・常用漢字
U+7EC5