帶 - 漢字私註
説文解字
紳也。男子鞶帶、婦人帶絲。象繫佩之形。佩必有巾。从巾。當蓋切。
- 七・巾部
説文解字注
紳也。《糸部》曰、紳、大帶也。男子鞶帶、婦人帶絲。古本皆如此。毛本依小徐。誤。『〔禮記〕內則』曰、男鞶革。女鞶絲。《革部》鞶下云、大帶也。男子帶鞶。婦人帶絲。按古有大帶。有革帶。革帶以繫佩韍而後加之大帶。則革帶統於大帶。故許於紳、於鞶皆曰大帶。實則『內則』之鞶專謂革帶。此偁『內則』者、謂鞶統於紳、佩繫於鞶也。象繫佩之形。謂也。佩必有巾。从重巾。謂也。當葢切。十五部。
康煕字典
- 部・劃數
- 巾部・八劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤當蓋切、音㯂。『說文』紳也。男子搫帶、婦人帶絲、象繫佩之形。佩必有巾、故帶从巾。《徐鉉曰》卌、其帶上連屬固結處。『釋名』帶、蔕也。著於衣、如物之繫蔕也。『易・訟卦』或錫之鞶帶。《疏》鞶帶大帶也。『禮・玉藻』凡帶有率、無箴功。《疏》謂其帶旣襌、亦以箴緶緝其側、但繂襵之、無別裨飾之箴功。
又『揚子・方言』厲謂之帶。《註》小爾雅、帶之垂者曰厲。『詩・小雅』垂帶而厲。
又佩也。『禮・月令』帶以弓䪅。
又『揚子・方言』行也。《註》隨人行也。
又蟲名。『莊子・齊物論』螂蛆甘帶。
又書帶、草名。『三齊記』鄭康成山下生草、大如䪥、葉長一尺餘、土人名康成書帶草。
又姓。『賈誼・過秦論』帶佗。
又叶音蒂。『楚辭・九歌』荷衣兮蕙帶、儵而來兮忽而逝。夕宿兮帝鄉、誰須兮雲之際。
異體字
簡体字。
いはゆる新字体。
音訓
- 反切
- 『廣韻・去聲・泰・帶』當蓋切
- 『集韻・去聲上・夳第十四・帶』當蓋切
- 『五音集韻・去聲卷第十・泰第十二・端・一帶』當蓋切
- 官話
- dài
- 粤語
- daai3
- 音
- タイ(漢、呉)
- 訓
- おび
- おびる
解字
白川
象形。鞶帶に巾を帶びてゐる形に象る。巾は禮裝に用ゐる前掛け。
『説文解字』に紳なり。男子は鞶帶、婦人は帶絲。佩を繫くるの形に象る。佩には必ず巾有り。
といふ。男女の帶にはいづれも佩巾を繫けるので、その形をも含めた象形字。
藤堂
紐で物を通した姿と巾(垂れ布)の會意。長い布の帶で以て色々な物を腰に著けることを表す。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は、帶の形に象る。上下兩端は帶の緣の絲の端に象り、中間は幺(絹絲)、絹絲の帶の織られてゐる形に象る。本義は腰帶。身に帶びる意を派生する。
【補註】漢字多功能字庫が帶とする甲骨文、黹とする甲骨文のいづれをも、落合は區別せず黹の甲骨文として擧げる。
帶と黹の形は近く、その區別は、帶の中間は幺に從ひ絹絲が織られてゐるさまに象り、黹の中間は二つの相背きあるいは向かひ合ふ模樣に象る。
甲骨文では人名に用ゐる。
金文での用義は次のとほり。
- 本義に用ゐる。子犯編鐘
衣、常(裳)、帶、巿
は、上衣、下裳、腰帶、蔽膝(古代、朝覲や祭祀のときに衣裳の上を覆ふ服飾)を表す。 - 人名に用ゐる。平周戈
工鬼薪帶
。「鬼薪」は刑罰の一種、引伸して刑徒の意。戈を造る工匠で名を帶といふ者が鬼薪の刑に服する人であることを表す。
戰國竹簡では糸を意符に加へ、身に帶ぶことを表す。《上博竹書二・容成氏》簡51武王於是乎作為革車千乘、𦄂(帶)甲萬人、戊午之日、涉於孟津。
「𦄂(帶)甲萬人」は鎧兜を著けた兵士一萬人を表す。
古代の帶に三種類ある。一つは革帶。皮革で作り、韠(膝覆ひ)を著けるのに用ゐる。二つは大帶。素(生成り)、練(練り絹)、錦、縞などを裁斷して作り、衣を縛るために用ゐる。三つは緄帶。織つて作る。(朱德熙、裘錫圭)
屬性
- 帶
- U+5E36
- JIS: 1-54-72
- 人名用漢字
- 带
- U+5E26
- 帯
- U+5E2F
- JIS: 1-34-51
- 當用漢字・常用漢字