經 - 漢字私註

説文解字

經
織也。从聲。九丁切。
十三糸部

説文解字注

經
織從絲也。從絲二字依『太平御覽卷八百二十六』補。古謂橫直爲衡從。『毛詩』云衡從其畝是也。字本不作縱。後人妄以代之。分别其音有慈容、足容之不同。『韓詩』作橫由其畝。其說曰東西耕曰橫。南北耕曰由。由卽從也。何必讀如𨌰乎。織之從絲謂之經。必先有經而後有緯。是故三綱五常六藝謂之天地之常經。『大戴禮〔易本命〕』曰、南北曰經、東西曰緯。抑許云、、縊也、、經也。縊死何言經死也。謂以繩直縣而死。從絲之義之引申也。平者、立者皆得謂之從。按獨言從絲者、蒙上文專言帛。以謂布之有從縷同也。从糸巠聲。九丁切。十一部。

康煕字典

部・劃數
糸部・七劃
古文
𤔕

『唐韻』『廣韻』古靈切『集韻』『韻會』『正韻』堅靈切、𠀤音涇。『說文』織也。『玉篇』經緯、以成繒帛也。『易・屯卦』君子以經綸。《疏》經、謂經緯。

又『易・頤卦』拂經於丘。《註》經猶義也。

又『書・酒誥』經德秉哲。《傳》能常德持智。『左傳・昭二十五年』夫禮、天之經也。《註》經者、道之常。

又『詩・大雅』經之營之。《傳》經、度之也。

又『周禮・天官・冢宰』體國經野。《註》經、謂爲之里。《疏》南北之道謂之經、東西之道謂之緯。

又『周禮・天官・大宰』以經邦國。《註》經、法也。王謂之禮經常所秉以治天下者也。

又『禮・月令』毋失經紀。《註》謂天文進退度數。又『禮・經解疏』經解者、以其記六藝政敎之得失也。

又『左傳・昭二十五年』爲夫婦外內、以經二物。《註》夫治外、婦治內、各治其物。

又『論語』自經於溝瀆、而莫之知也。『何晏註』經、經死於溝瀆之中。『晉語』雉經於新城廟。『釋名』屈頸閉氣曰雉經、如雉之爲也。

又『廣韻』古定切、音徑。經緯也。又織也。

又『離騷・王逸註』經、徑也。『釋名』經、徑也。如徑路無所不通、可常用也。

又『韻補』叶居良切。『韓愈・此日足可惜詩』閉門讀書史、淸風窗戸涼。日念子來遊、子豈知我情。別離未爲久、辛苦多所經。情音翔。

『五經文字』作𦀰者、訛。

部・劃數
土部・四劃

『韻會』古文字。註詳糸部七畫。

部・劃數
爪部・八劃

『集韻』、古作𤔕。註詳糸部七畫。

異體字

或體。

簡体字。

いはゆる新字体。

音訓

ケイ(漢) キャウ(呉) 〈『廣韻・下平聲・靑・經』古靈切〉[jīng]{ging1}
たていと。たて。つね(經常)。へる(經過、經歷)。いとなむ(經營)。をさめる(經國、經世)。くびる。

解字

白川

形聲。聲。巠は織機の經絲を張りかけた形で、經絲。經の初文。

金文の「德經」「經維」の字を巠に作るものがある。

『説文解字』に織るなりとするが、橫絲の緯と合はせてはじめて構成することができるので、合はせて經緯といふ。

『太平御覽』に引く『説文解字』に織の從絲たていとなりに作る。

交織の基本をなすものであるから、經紀、經綸、經營の意に用ゐ、經書の意となり、經緯より經過、經驗の意となる。

藤堂

と音符の會意兼形聲。巠は、上の枠から下の臺へ經絲を眞つ直ぐに張り通したさまを描いた象形字。經は、糸偏を添へて、經絲の意を明示した字。

漢字多功能字庫

金文はに從ひ亦聲。巠は織機の經絲に象り、緯絲と相對する。後世には地理學の經緯度の義を得る。經はまた南北方向の道路を指し、引伸して經過、途經(通過)、經歷を表す。醫學では、經脈は人體の内の氣血の通る主要な通路で、經絡系統の直行する幹線のこと。主要な通路の意から引伸して、經はまた常道、常理、常法を指し、また《十三經》、四書五經、佛經など、典範著作や宗教典籍の尊稱に用ゐ、また經常の義を有す。

金文での用義は次のとほり。

戰國竹簡での用義は次のとほり。

屬性

U+7D93
JIS: 1-69-20
U+5755
𤔕
U+24515
𦀰
U+26030
U+7ECF
U+7D4C
JIS: 1-23-48
當用漢字・常用漢字