曷 - 漢字私註
説文解字
何也。从曰匃聲。
- 五・曰部
説文解字注
何也。雙聲也。『詩』有言曷者、如〔『召南・何彼襛矣』〕曷不肅雝。《箋》云、曷、何也。有言害者、如〔『周南・葛覃』〕害澣害不。《傳》云。害、何也。害者、曷之假借字。『詩』『書』多以害爲曷。『〔爾雅〕釋詁』曷、止也。此以曷爲遏。『〔爾雅〕釋言』曰、曷、盍也。此亦假借。凡言何不者、急言之但云曷也。从曰匃聲。胡葛切。十五部。
康煕字典
- 部・劃數
- 曰部・五劃
『唐韻』胡葛切『集韻』『韻會』『正韻』何葛切、𠀤音褐。『說文』何也。『易・損卦』曷之用。《註》曷、辭也。曷之用、言何用豐爲也。『五經文字』作曷者譌。
又『爾雅・釋詁』曷、止也。
又『玉篇』逐也、盍也。
又『集韻』許葛切、音𠿒。相恐怯也。
又阿葛切、音遏。逮也。
又丘葛切、音喝。與䳚同。
又與蝎同。『史記・蔡澤傳』先生曷鼻巨肩。《註》索隱曰、曷鼻、謂鼻如蝎蟲也。
音訓・用義
- 音
- カツ(漢) 〈『廣韻・入聲・曷・曷』胡葛切〉[hé]{hot3}
- 訓
- なに。なんぞ。いつか。
解字
白川
『説文解字』に何ぞ
と訓じ、匄聲とするが、字は會意。
曰は祝禱の器に祝禱を收めた形。匄は屍骨の形。屍骨の呪靈あるものに祝禱をそへて祈る意で、神に謁し、喝して愒し、災厄を渇め歇ませる。そのやうにして祈り求めることを原義とする。
金文に匄を匄求の意に用ゐ、匄に曰をそへて曷となる。
藤堂
曰(いふ)と音符匃の會意兼形聲。匃の原字は、人とそれをハッと押し留める姿から成る會意字で、ハッと叫んで押さへ留めること。曷は、ハッと怒鳴ることを明示するために曰を加へた。喝(ハッと怒鳴る)や遏(押し止める)の原字。そのハッといふ音を借りて、何といふ疑問詞に當てる。
屬性
- 曷
- U+66F7
- JIS: 1-59-11
關聯字
曷、匃に從ふ字を漢字私註部別一覽・亡部・匃枝に蒐める。