狺 - 漢字私註
説文解字
犬吠聲。从犬斤聲。語斤切。
- 十・犬部
説文解字注
犬吠聲。『〔楚辭〕九辨』猛犬狺狺而迎吠。《王注》讒佞讙呼而在側也。狺卽㹞字。从犬斤聲。語斤切。十三部。
康煕字典
- 部・劃數
- 犬部・七劃
『廣韻』語斤切『集韻』『正韻』魚斤切『韻會』疑巾切、𠀤音銀。『廣韻』犬爭也。本作㹞。詳㹞字註。『楚辭・九辯』猛犬狺狺以迎吠。『正韻』亦作狋。
又『集韻』擬引切、音釿。本作齗、詳齒部齗字註。
- 部・劃數
- 犬部・四劃
『唐韻』語斤切『集韻』魚斤切、𠀤音齗。『說文』犬吠聲。从犬、斤聲。『玉篇』同狺。
又『廣韻』語巾切『集韻』魚巾切、𠀤音銀。又『玉篇』牛佳切『集韻』宜佳切、𠀤音崖。義𠀤同。
又犬欲齧也。『集韻』本作啀。或作嘊。
又『集韻』擬引切、音听。本作齗。犬爭也。
音訓・用義
- 音
- ギン(漢、呉) 〈『廣韻・上平聲・眞・銀』語巾切〉[yín]{ngan4}
- ギン 〈『廣韻・上平聲・欣・䖐』語斤切〉[yín]
藤堂は眞韻、KO字源は文韻(『廣韻』欣韻)を示す。
狺狺は、犬が吠える聲の形容。
解字
白川
狺は形聲字。聲符は言。
『説文解字』に㹞は犬の吠ゆる聲なり
、狋は犬の怒る皃なり。〜讀みて又銀の若くす
、㹜は兩犬相ひ齧むなり
とあり、みな聲義が近い。
擬聲的な語。
狺と㹞とは同じ語で、犬が嚙み合ふ聲をいふ。
藤堂
狺は犬と音符言の形聲。
落合
形聲。甲骨文は、犬を意符、斤を聲符とし、㹞に作り、斤の發音で「犬の吠える聲」を表してゐる。
甲骨文では地名またはその長を表す。《合集》14396壬戌卜爭貞、既出㹞、燎于土𫳅。
金文で聲符を言に置換した字形が作られた。
『説文解字』は㹞をのみ採るが、後には狺が主に用ゐられる。
屬性
- 狺
- U+72FA
- JIS: 2-80-36
- JIS X 0212: 42-93
- 㹞
- U+3E5E