蒼 - 漢字私註
説文解字
艸色也。从艸倉聲。
- 一・艸部
説文解字注
艸色也。引伸爲凡靑黑色之偁。从艸倉聲。七岡切。十部。
康煕字典
- 部・劃數
- 艸部・十劃
- 古文
- 𡶍
- 𦭆
『唐韻』七岡切『正韻』千剛切、𠀤音倉。『說文』草色也。『易・說卦傳』震爲蒼筤竹。『臨川吳氏註』蒼、深靑色。『詩・王風』悠悠蒼天。『禮・玉藻』大夫佩水蒼玉。《疏》似水之蒼而雜有文。
又『博雅』茂也。『書・益稷篇』至于海隅蒼生。《傳》蒼蒼然生草木。
又老也。『詩・秦風』蒹葭蒼蒼。『釋文』物老之狀。
又『前漢・陳勝傳』蒼頭。《註》士卒靑帛巾。
又『綱目集覽』蒼黃、急遽貌。
又姓。『通志・氏族略』蒼氏。《註》『風俗通』云、八愷、蒼舒之後。
又『韻會』采朗切、倉上聲。莽蒼、寒狀。一曰近郊之色。『莊子・逍遙遊』適莽蒼者、三飡而反。『唐書・韋述傳』蒼卒犇逼。『白居易詩』寒銷春蒼茫。
亦作倉。『禮・月令』駕倉龍、服倉玉。『史記・蕭望之傳』倉頭廬兒。
『直音』作⿱艸倉。
- 部・劃數
- 山部・五劃
『玉篇』古文倉字。註見人部八畫。
- 部・劃數
- 艸部・五劃
『集韻』古文蒼字。註詳十畫。
異體字
簡体字。
音訓
- 音
- (1) サウ(漢、呉) 〈『廣韻・下平聲・唐・倉』七岡切〉[cāng]{cong1}
- (2) サウ 〈『廣韻・上聲・蕩・蒼』麁朗切〉{cong2}
- 訓
- (1) あを。あをい。しげる。
莽蒼は音(2)に讀み、青々とした草原、曠野の茫漠としてゐるさまをいふ。
解字
白川
形聲。聲符は倉。
『説文解字』に艸の色なり
とあり、水には滄といふ。
蒼蒼とは草木の繁茂する深い青さをいふ。
藤堂
艸と音符倉の會意兼形聲で、倉(納屋)に取り込んだ牧草(または新穀)の色。
漢字多功能字庫
金文は艸に從ひ倉聲。倉の字形は戶に從ふ形から爪に從ふ形に訛變してをり、楚系文字の獨特の書き方である。金文では讀みて倉となし、倉庫を表す。
蒼はもと草の色を指し、引伸して深藍色を表す。『説文解字』蒼、艸色也。(後略)
《段注》引伸為凡靑黑色之偁。
『廣雅・釋器』蒼、青也。
- 『詩・秦風・蒹葭』
蒹葭蒼蒼、白露為霜。
- 『莊子・逍遙遊』
天之蒼蒼、其正色邪。
「正色」は眞正の色のこと。 - 《銀雀山漢墓竹簡・六韜》簡748
蒼蒼上天、莫知極。
しばしば天空の色を形容し、引伸して天を表す。『爾雅・釋天』穹蒼、蒼天也。
郭璞注天形穹隆、其色蒼蒼、因名云。
「蒼天」、「上蒼」、「穹蒼」などはいづれも天を指す。
- 『越絕書・越絕請糴內傳』
昔者上蒼以越賜吳、吳不受也。
- 東晉・陶淵明〈祭程氏妹文〉
彼蒼何偏、而不斯報。
- 南宋・吳潛〈水調歌頭〉
人事紛紛難料、世事悠悠難說、何處問穹蒼。
草の色から引伸して草木、草木の叢生する場所を「蒼生」と稱す。
- 『書・益稷』
光天之下、至于海隅蒼生、萬邦黎獻共惟帝臣。
《孔傳》光天之下、至于海隅蒼蒼然生草木、言所及廣遠。
- 後に「蒼生」が衆多の意を有するに因り、「蒼」、「蒼生」は更に引伸して百姓、衆生を指す。
- 『後漢書・列女傳・董祀妻傳』
彼蒼者何辜、乃遭此戹禍。
- 『顏氏家訓・歸心』
一人修道、濟度幾許蒼生。免脫幾身罪累。幸熟思之。
また灰白色を表し、多く頭髮に白髮が交じることを形容する。
- 『北齊書・盧文偉傳』
詢祖初聞此言、實懷恐懼、見丈人蒼蒼在鬢、差以自安。
- 唐・白居易〈賣灰翁〉
滿面塵灰煙火色、兩鬢蒼蒼十指黑。
屬性
- 蒼
- U+84BC
- JIS: 1-33-83
- 人名用漢字
- 𡶍
- U+21D8D
- 𦭆
- U+26B46
- 苍
- U+82CD