嫚 - 漢字私註
説文解字
侮易也。从女曼聲。謀患切。
- 十二・女部
説文解字注
侮㑥也。㑥各本作易。今正。《人部》曰、侮者、㑥也。㑥者、輕也。嫚與《心部》之慢音同義別。凡嫚人當用此字。从女曼聲。謀患切。十四部。
康煕字典
- 部・劃數
- 女部・十一劃
『廣韻』謨晏切『集韻』『韻會』『正韻』莫晏切、𠀤音慢。『說文』侮易也。『左傳・昭二十年』其言僭嫚于鬼神。
又『增韻』渫汚也。『前漢・呂后紀』單于爲書嫚呂太后。
又彌箭切、音面。『韋孟・諷諫詩』致冰匪堅、致墜匪嫚。瞻惟我王、時靡不練。
別作𡢚。
- 部・劃數
- 女部・十三劃
『字彙補』莫晏切、音嫚。『潛夫論』嫚姓鄧優。
音訓
- 音
- マン(慣) バン(漢) 〈『廣韻・去聲・諫・慢』謨晏切〉[màn]{maan6}
- 訓
- あなどる。けがす。
解字
白川
形聲。聲符は曼。曼は頭衣の下に目の見える形で、流し目の意味がある。
『説文解字』に侮り易るなり
とあり、不敬、侮嫚の意となる。
字はまた僈に作る。『荀子・不苟』に君子寬而不僈
(君子は寬にして僈ならず)とあり、僈とは舒緩なるさまをいふ。
藤堂
女と音符曼の會意兼形聲。曼は、冃(覆ひ隱す)と目と又(手)の會意字で、覆ひ隱して見えなくする意を含む。嫚は、相手を無視して目に留めない意。
漢字多功能字庫
金文は女に從ひ曼聲。曼の字形はやや異なり、姓に用ゐる。鄧公簋鄧公乍(作)䧹(應)嫚𣬈朕(媵)簋
、この簋は嫚姓の女子の嫚𣬈が應國に嫁ぐこと、嫚𣬈の父の鄧公がこれを媵器(嫁にやるときに用ゐる祭器)とすることを記載する。
『説文解字』侮易也。(後略)
即ち輕蔑の意。後世では慢あるいは謾と通ず。段玉裁は易を㑥に改め、人部曰、侮者、㑥也。㑥者、輕也。
と註す。
屬性
- 嫚
- U+5ADA
- JIS: 2-5-74
- JIS X 0212: 26-5
- 𡢚
- U+2189A