皮 - 漢字私註

説文解字

皮
剥取獸革者謂之皮。从省聲。凡皮之屬皆从皮。符羈切。
皮部
𥬖
古文皮。
𠰎
籒文皮。

説文解字注

皮
剝取獸革者謂之皮。、裂也。謂使革與肉分裂也。云革者、析言則去毛曰革。統言則不別也。云者者、謂其人也。取獸革者謂之皮。皮、。柀、析也。見《木部》。因之所取謂之皮矣。引伸凡物之表皆曰皮。凡去物之表亦皆曰皮。『戰國策〔韓策〕』言皮面抉眼、王裦『僮約』言落桑皮椶、『釋名〔釋飲食〕』言皮瓠以爲蓄、皆是。从又。又手也。所以剝取也。爲省聲。符羈切。古音爲皮皆在十七部。凡皮之屬皆从皮。
𥬖
古文皮。者、葢用竹以離之。
𠰎
籒文皮。

康煕字典

部・劃數
部首
古文
𥬖
𠰎

『唐韻』符羈切『集韻』『韻會』『正韻』蒲糜切、𠀤音疲。『說文』剝取獸革者、謂之皮。从又、爲省聲。『長箋』从爲形義俱遠。當作从又从尸。《徐曰》又、手也。生曰皮、理之曰革、柔之曰韋。『書・禹貢』梁州、厥貢熊羆狐狸織皮。《傳》貢四獸之皮、織金罽。『周禮・天官』掌皮掌秋斂皮、冬斂革、春獻之。《註》有毛爲皮、去毛爲革。

又『釋名』被也。被、覆體也。『韻會』皮膚、肌表也。『史記・酈生傳』足下以目皮相、恐失天下士。

又『揚子・方言』秦晉言非其事、謂之皮傳。《註》謂强語也。『後漢・張衡傳』後人皮傳、無所容篡。《註》皮膚淺近、强相傅會也。

又『博雅』皮、弁冠也。『禮・郊特牲』祭之日、王皮弁以聽祭報、示民嚴上也。

又『正韻』狐貉之裘曰皮也。『莊子・讓王篇』冬日衣皮毛。

又皮侯。『周禮・冬官考工記』張皮侯而棲鵠。『論語』射不主皮。《註》皮、革也。布侯而棲革於其中以爲的、所謂鵠也。

又皮幣。『前漢・武帝紀』請收銀錫、造白金及皮幣、以足用。

又腹心部曰皮室。『遼史・百官國語解』軍制有南北左右皮室、及黃皮室、皆掌精兵。

又『博雅』重皮、厚朴也。又『古今注』長安兒童呼苦葴爲皮弁。又『本草・釋名』仰天、皮掬、天皮、地衣草別名。卽濕地上苔衣也。

又皮氏、縣名。『前漢・地理志』屬河東郡。

又皮山、山名。見『山海經』。

又姓。鄭大夫子皮、後漢皮揚、唐皮日休。

又叶蒲何切、音婆。『詩・召南』羔羊之皮、素絲五紽。『左傳・宣二年』宋華元謂役者曰、牛則有皮、犀兕尚多、棄甲則那。役者曰、從其有皮、丹漆若何。

部・劃數
口部・五劃

『集韻』古作𠰎。註詳部首。

部・劃數
竹部・五劃

『玉篇』『集韻』𠀤古文字。註詳部首。

音訓

ヒ(漢) 〈『廣韻・上平聲』符羈切〉[pí]{pei4}
かは

解字

白川

象形。獸皮を手で剝ぎ取る形。

『説文解字』に獸革を剝取する者、之れを皮と謂ふとし、又に從ひ、爲の省聲とするが、獸皮を剝取する全體象形の字。

皮革の全形は、その半ばを剝取してゐる形が皮。

皮の聲は、剝ぎ取るときの音をとつたものであらう。

藤堂

頭の附いた動物の皮と(手)の會意で、動物の毛皮を手で身體に被せるさま。斜めに掛けるの意を含む。

落合

會意。動物の皮を剝いだ狀態の側面形の克と、手の形のまたは手に道具を持つた形のに從ひ、動物の皮を剝ぐ樣子を表してゐる。

甲骨文では地名に用ゐる。《合集》34218…在皮。

後代には又に從ふ字形が繼承され、篆文以降に克が簡略化された。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、(手の形に象る)と獸の形に從ひ、手で獸皮を剝ぎ取る形に象る(『説文解字』、林義光)。本義は皮を剝ぐこと、獸皮。

甲骨文では又は頂部に在り、金文では又は底部にある。獸の口の形は後に訛變して廿となり、更に訛變して竹となり、『説文解字』の古文の從ふ所となつた。一説に皮字は又との省に從ひ、手で獸の革を剝ぎ取る形に象る(王國維)。本義は皮を剝ぐこと、獸皮。『説文解字』皮、剥取獸革者謂之皮。(後略)徐鍇『說文解字繫傳』生曰皮、理之曰革、柔之曰韋。

甲骨文辭殘の用義は不明。

金文での用義は次のとほり。

戰國竹簡では本義に用ゐる。《睡虎地秦簡・秦律十八種》簡7食其肉而入皮は、その肉を食べ、その皮を上繳(上納、納入)することを表す。

《睡虎地秦簡・效律》簡42皮革。『左傳・隱公五年』皮革齒牙、骨角毛羽。孔穎達疏有毛為皮、去毛為革。

また通假して破となす。《郭店竹簡・語叢四》皮(破)邦亡將は、國が破滅し、將領が死亡することを表す(陳偉)。

漢代の竹簡、帛書では通假して彼となし、那個を指す。

また通假して被となす。《馬王堆・陰陽十一脈灸經甲本》第66行皮(被)髮は、披頭散髮(髮を振り亂すこと)を表す。

被をまた通假して皮となす。

ほかに、克を參照せよ。

屬性

U+76AE
JIS: 1-40-73
當用漢字・常用漢字
𠰎
U+20C0E
𥬖
U+25B16

關聯字

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