畺 - 漢字私註

説文解字

畺

界也。从、其界畫也。居良切。

十三畕部
疆

畺或从

別條に揭出。

説文解字注

畺

界也。〔詩・豳風〕七月』萬壽無疆。《傳》曰、疆、竟也。《田部》曰、界、竟也。然則畺界義同。竟境正俗字。『〔詩・小雅〕信南山』我疆我理。《傳》曰、疆、畫經界也。理、分地理也。緜曰、乃疆乃理。江漢曰、于疆于理。其義皆同。經界出於人爲。地理必因地阞。二者必相因而至。不知地阞則水不行。

从畕。三其介畫也。介各本作界。今正。介、畫也。畫、介也。二字義同。居良切。十部。

疆

畺或从土彊聲。今則疆行而畺廢矣。惟『周禮』有畺。

康煕字典

部・劃數
田部八劃

『唐韻』『集韻』『正韻』𠀤居良切、音𧅁。『說文』界也。从畕、三、其界畫也。『博雅』畺、竟也。『周禮・地官・載師』以大都之田任畺地。《註》畺五百里、王畿界也。『周語』畺有寓望。《註》畺、境也。

又『集韻』丘亮切、音唴。死不朽也。或从弓。

集韻

卷・韻・小韻
平聲三・陽第十・𧅁
反切
居良切

『說文』界也。從畕。三、其界畫也。

或作疅壃

卷・韻・小韻
去聲下漾第四十一
反切
居亮切

居亮切。

死不朽也。

或从弓

文二。

音訓義

キャウ(漢) カウ(呉)⦅一⦆
キャウ(推)⦅二⦆
さかひ⦅一⦆
かぎり⦅一⦆
官話
jiāng⦅一⦆
jiàng⦅二⦆
粤語
goeng1⦅一⦆

⦅一⦆

反切
廣韻・下平聲・陽・薑』居良切
集韻・平聲三・陽第十・𧅁』居良切集韻1
『五音集韻・下平聲卷第五・陽第一・見三・薑』居良切
聲母
見(牙音・全清)
等呼
官話
jiāng
粤語
goeng1
日本語音
キャウ(漢)
カウ(呉)
さかひ
かぎり
田畑の境。また土地や國の境。また限度、限界。あるいはに作る。

⦅二⦆

反切
集韻・去聲下漾第四十一』居亮切集韻2
『五音集韻・去聲卷第十二・漾第一・見・三彊』居亮切
聲母
見(牙音・全清)
等呼
官話
jiàng
日本語音
キャウ(推)
『集韻』死不朽也。『五音集韻』屍勁硬也。あるいはに作る。

解字

白川

畺は田界の象で、の初文。

『説文解字』に疆を畺の重文として錄し、畺は界なりといふ。

『説文解字』は畺を《畕部》に屬する。比田なりとあつて、田が連なること。畺はそれに田界を施した形。

藤堂

二つと三本線の會意字で、くつきりと田畑を區切ること。

落合

畺は指示字。と區切りを表す指示記號の橫線から成り、耕作地の境界を示す。

甲骨文での用義は不明。《合集》27879翌日…畺小臣…。

字形は金文で田、一を增し加へて畺の形になつた。楷書では、更に田を加へた疅や、を加へた壃も作られてゐる。

土を意符、強いことを意味するを聲符とするは古文で作られ、字義が類似してをり、同源語であらう。

漢字多功能字庫

甲骨文は二に從ふ。金文は甲骨文と同形、あるいは田の上下に橫劃を加へ、田と田の間の疆界を表す。、畺はの初文。本義は田界。引伸して疆界を表す。

【補註】漢字多功能字庫が畺の甲骨文として擧げる形を、落合は畕の甲骨文として擧げる。落合が畺とするのは⿳一田一の形。

甲骨文では地名に用ゐる。

金文では界限(けぢめ、境、限界、限度)、止境(とどまるところ)を表し、後世に疆に作る。

屬性

U+757A
JIS: 2-81-32
JIS X 0212: 45-30

關聯字

畺聲の字