圭 - 漢字私註

説文解字

圭

瑞玉也。上圜下方。公執桓圭、九寸。矦執信圭、伯執躬圭、皆七寸。子執穀璧、男執蒲璧、皆五寸。以封諸矦。从重。楚爵有執圭。古畦切。

十三土部
珪

古文圭从

別條に揭出。

説文解字注

圭

瑞玉也。瑞者、以玉爲信也。上圜下方。圭之制、上不正圜。以對下方言之、故曰上圜。上圜下方、法天地也。故應劭曰、圭自然之形、陰陽之始也。以圭爲陰陽之始、故六十四黍爲圭。四圭爲撮。十圭爲一合。量於此起焉。『方言〔十二〕』曰「鼃、始也」。多不得其解。愚謂從圭聲、與圭同音。「鼃、始也」、卽「圭、始也」。

公執桓圭九寸。、《玉部》作。此不改者、依『周禮』文也。鄭曰雙植謂之桓。桓圭以宫室之𧰼爲瑑飾。侯執信圭。伯執躳圭。皆七寸。鄭曰、信當爲身。身圭、躬圭皆𧰼以人形爲瑑飾。九寸、七寸謂其長也。子執榖璧。男執蒲璧。皆五寸。二玉以榖以蒲爲瑑飾。五寸謂其徑也。㠯封諸侯。詳『周禮〔春官〕大宗伯』『〔同・同〕典瑞』、『〔同・考工記〕玉人』。天子以封諸侯。諸侯守之以主其土田山川。故字从重土。

从重土。重土者、土其土也。古畦切。十六部。

楚爵有執圭。此說楚制之乖異也。其事𢽳見各書。若國策之景翠、莊辛。淮南之荆佽非、子發。『說苑』之鄂君子晳。『吕覽』之能得五員者。皆楚執圭者也。高注『淮南』曰、楚爵功臣賜以圭。謂之執圭。比附庸之君。

珪

古文圭。从王。古文从玉。謂頒玉以命諸侯、守此土田培敦也。小篆重土而省玉。葢李斯之失與。今經典中圭珪錯見。○圭珪移於部末者、許例當如此也。

康煕字典

部・劃數
土部・三劃
古文

『唐韻』古攜切『集韻』『韻會』涓畦切、𠀤音閨。音1『說文』瑞玉也。上圜下方、圭以封諸侯、故从重土。『書・禹貢』禹錫玄圭。『詩・大雅』錫爾介圭。『周禮・春官・典瑞』王執鎮圭、公執桓圭、侯執信圭、伯執躬圭。

又『周禮・春官』土圭以致四時日月、封國則以土地。《註》土、猶度也。土圭、测日景之圭。

又量名。『前漢・律歷志』量多少者、不失圭撮。《註》六十四黍爲圭。四圭曰撮。

又『後漢・輿服志』凡先合單紡爲一系、四系爲一扶、五扶爲一首、五首爲一文、文采淳爲一圭。註1

又丸散之刀圭、准如梧桐子大、十分方寸匕之一、方寸匕者作匕正方一寸、抄散不落爲度。見『本草綱目・序例』。

又與閨同。『禮・儒行』蓽門圭窬。

音訓義

クヱイ(漢) クヱ(呉)⦅一⦆
官話
guī⦅一⦆
粤語
gwai1⦅一⦆

⦅一⦆

反切
廣韻・上平聲』古攜切
集韻・平聲二亝第十二』涓畦切
『五音集韻・上平聲卷第二・齊第十・見四圭』古攜切
聲母
見(牙音・全清)
等呼
官話
guī
粤語
gwai1
日本語音
クヱイ(漢)
クヱ(呉)
諸侯を封ずるときに用ゐる瑞玉。
かど。圭角。
容量の單位。升の十萬分の一。
『廣韻』: 圭璧。『說文』曰「瑞玉也。上圜下方。公執桓圭、九寸。侯執信圭、伯執躬圭、皆七寸。子執穀璧、男執蒲璧、皆五寸。『周禮』以靑圭禮東方。」又『孟子』云「六十四黍爲一圭、十圭爲一合。」古攜切。十五。
『集韻』圭珪: 涓畦切。『說文』「瑞玉也。上圜下方。公執桓圭、九寸。侯執信圭、伯執躬圭、皆七寸。子執穀璧、男執蒲璧、皆五寸。以封諸侯。从重土。楚爵有執圭。」一曰六十四黍為圭。古作。文二十八。
『康煕字典』上揭

解字

白川

象形。圭玉の形。

『說文』に瑞玉なりとし、その形制について上圜下方。公は桓圭を執り、九寸、侯は信圭を執り、伯は躬圭を執り、皆七寸、〜、以て諸侯を封ず。と見え、諸侯を封ずるときの瑞玉をいふ。

金文に「祼圭」を賜ふことが多く見え、酒器の卣とともに賜與されてゐるから、祼圭は鬯酒(黑黍の香り酒)を用ゐるときの玉器であらう。《毛公鼎》に秬鬯一卣・祼圭瓚寳を賜ふ、《師詢𣪘》に秬鬯一卣・圭瓚を賜ふとあり、鬯酒を賜ふときの禮器。(補註: 圭瓚は、祭祀のとき用ゐる酒器。KO字源は宗廟に用ふる酒器。形勺の如し。と説く。)

藤堂

の會意。土を盛ることを示す。

土地を授けるとき、その土地の土を三角形に盛り、その上に立つて神に領有を告げた。その形を象つたのが圭といふ玉器で、土地領有の印となり、轉じて、諸侯や貴族が手に持つ禮器となつた。その形はまた、日影をはかる土圭(日時計の柱)の形ともなつた。

漢語多功能字庫

金文は二に從ひ、構形初義不明。疑ふらくは、神に禮するに用ゐる玉器の形に象る。高鴻縉は、圭は卦の初文で、士は竹籌の縱橫するに象るとするが、按ずるに士は斧鉞の形に象り、この説は信じ難い。古代の禮玉の圭の起源について、斧鉞の形を取つたといふ説が以前からあり、故に圭は斧鉞の形の禮玉に象つたのかもしれない。

金文の用義は次のとほり。

『說文』瑞玉也。(後略)

屬性

U+572D
JIS: 1-23-29
人名用漢字

關聯字

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