內 - 漢字私註
説文解字
入也。从口、自外而入也。
- 五・入部
説文解字注
入也。今人謂所入之処爲內。乃以其引伸之義爲本義也。互易之。故分別讀奴荅切。又多假納爲之矣。『周禮・注』云、職內、主入也。內府、主良貨賄藏在內者。然則職內之內是本義。內府之內是引伸之義。从入。小徐曰、、音坰。按當音𧠨。許異篆。者、覆也。覆在外。各本無入字。今依『韵會』補。奴對切。十五部。自外而入也。釋會意之恉。
康煕字典
- 部・劃數
- 入部二劃
- 古文
- 𡗠
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤奴對切、餒去聲。『說文』入也、从冂入、自外而入也。『玉篇』裏也。『增韻』中也。『易・坤卦』君子敬以直內、義以方外。
又『前漢・鼂錯傳』先爲築室家、有一堂二內。《註》二房也。『韻會』房室曰內、天子宮禁曰內。漢制、天子內中曰行、內猶禁中也。唐有三內、皇城在長安西北隅、曰西內。東內曰大明宮、在西內之東。南內曰興慶宮、在東內之南。
又五內、五中也。『魏志・王浚傳註』聞命驚愕、五內失守。
又職內、官名。『周禮・天官註』職內、主人也。若今之泉所入、謂之少內。
又河內、地名。『周禮・夏官・職方氏』河內曰冀州、其山鎭曰霍山。
又『集韻』『正韻』𠀤儒稅切。同汭、水相入也。或省文作內。
又『正韻』同枘。『周禮・冬官考工記註』調其鑿、內而合之。
又『正韻』奴荅切。同納。『孟子』若已推而內之溝中。
- 部・劃數
- 大部三劃
『集韻』內古作𡗠。註詳入部二畫。
廣韻
入也。奴對切。一。
音訓・用義
- 音
- (1) ナイ(呉) ダイ(漢) 〈『廣韻・去聲・隊・内』奴對切〉[nèi]{noi6}
- (2) ナフ、ノフ(呉) ダフ(漢) 〈『正韻』奴荅切、同納〉[nà]{naap6}
- 訓
- (1) うち
- (2) いれる
解字
白川
象形。家屋の入口の形に象る。金文の形は屋形に從ひ、その入口の形である。
金文の冊命廷禮を記す文に「門に入りて中廷に立つ」を「門に內る」に作るものがあり、入と内は通用の字。内は名詞的に用ゐる語であつた。
藤堂
會意。屋根の形と入を合はせたもので、覆ひの中に入れることを示す。
落合
甲骨文は建築物の入口の象形。より嚴密に言へば、入の部分は屋根の象形であるから、屋根の附いた入口の表現であらう。轉じて建物の内部を表す。類似形に丙があり、建築物や器物の土臺を表してゐる。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 人名。第一期(武丁代)から一二間期(祖己代)。賓組の貞人名としても見える。《英藏》771・貢納記錄
內入十。
- 內乙
- 祖先名。殷の先王ではない。《合集》22086
勿戴內乙。
西周代には字形が變化し、原形に近いのは冂と入に從ふ形。そのほか家屋の象形の宀を用ゐた字形などが多く見られる。東周代にも宀を用ゐた字形が多く、また入の異體を用ゐた形があり、下部に口を加へた形も見られるが、いづれも後代には殘つてゐない。
篆文では原形に近い冂と入に從ふ形が採用され、現用字もそれを承ける。
漢字多功能字庫
甲骨文は冂と入に從ひ、金文は大部分が宀と入に從ふ。この構形は簡帛文字でも少なからず保たれてゐる。宀は居室、入は室内に進入することを表す符號で、本義は屋内に進入すること、それより内裏(内側)、内外の内となる。
金文で入字の中間に圓點を一つ飾に加へ、後に圓點が伸びて橫劃となり、大の形となつた。
金文での用法に五つある。
- 進入を表す。鄂君啟舟節
𨑗(上)江,內(入)湘。
- 内側を表す。毛公鼎
命女(汝)辥我邦我家內外
。 - 貢納を表す。噩侯鼎
噩侯馭方內(納)豊(醴)于王。
- 讀んで芮となし、古國名。內大子白簠蓋
內(芮)大(太)子白乍(作)簠
。 - 官職名に用ゐる。「內史」は史官のこと。
屬性
- 內
- U+5167
- 𡗠
- U+215E0
- 内
- U+5185
- JIS: 1-38-66
- 當用漢字・常用漢字
關聯字
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