愆 - 漢字私註

説文解字

過也。从聲。
心部
或从寒省。
段注に寒聲。といふ。
𠏘
またにつくる。
籒文。
段注に𠈉聲。過在多言故从言。といふ。

康煕字典

部・劃數
心部九劃
古文
𠐨

『廣韻』去乾切『集韻』丘虔切『正韻』苦堅切、𠀤音騫。『說文』過也。『增韻』差𤕤也。又罪也、失也。『書・伊訓』惟兹三風十愆。《註》過也。

又惡疾曰愆。『左傳・昭二十六年』王愆于厥身。

又叶起巾切、音䵖。『詩・小雅』我孔熯矣、式禮莫愆。工祝致告、徂賚孝孫。『韓愈・祭兄文』其不有年、以補我愆。叶上墳恩原奔。

又叶起淺切、音遣。『詩・小雅』伐木于阪。釃酒有衍。籩豆有踐、兄弟無遠。民之失德、乾餱以愆。『揚子・太玄經』井無幹、水直衍、匪溪匪谷、終於愆。

或作。亦作𨓲。『說文』『集韻』又作。籀作𢝐。

部・劃數
言部八劃

『玉篇』籀文字。『詩・大雅』不愆于儀。『禮・緇衣』引『詩』作諐。『鄭註』過也。『前漢・劉輔傳』元首無失道之諐。

『說文』本作[𠈉言]。『字彙』人部重出。

部・劃數
人部十六劃

『集韻』古作𠐨。註詳心部九畫。

部・劃數
辵部八劃

『集韻』與同。

又丘閑切、音慳。義同。

部・劃數
心部九劃

『集韻』與同。

部・劃數
人部十二劃

『廣韻』俗字。『漢武帝・立齊王策文』厥有𠍴不臧。《註》𠍴與愆同。

部・劃數
心部十二劃

『玉篇』俗字。

異體字

説文解字の重文第一。篆文は寒の省文(と茻と)とに從ふ。

𢥛をまた㥶につくるが、別字。

説文解字の重文第二。またにつくる。

音訓

ケン(漢、呉)
あやまつ。あやまち。とが。つみ。たがふ。やまひ。

解字

白川

形聲。聲符は。衍は喩母の字。喩母の字に爰(緩)、爲(譌)、韋(諱)のやうに牙音に轉ずるものがある。

説文解字に過なりと過失の意とし、衍聲とする。また㥶、諐の二文を錄するが、㥶は實なりと訓じ、もと別義の字。(補註: 説文解字に實也と訓じられてゐる字は𢥛。)

諐は『詩・大雅・抑不愆于儀(儀にあやまたず)を『禮記・緇衣』に引いて諐につくる。

藤堂

と音符の會意兼形聲。衍は水が水路を外れて橫に溢れ出ること。愆は心が常道を逸れて、無闇に橫に伸び出ること。

屬性

U+6106
JIS: 1-56-20
U+3976
𠏘
U+203D8
U+8AD0
JIS: 1-92-10
𠐨
U+20428
𨓲
U+284F2
𢝐
U+22750
𠍴
U+20374
𢡊
U+2284A