誇 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
本文には異同なく、註には苦𤓰切。古音在五部。
といふのみ。
康煕字典
- 部・劃數
- 言部六劃
- 古文
- 𧥢
『唐韻』苦瓜切『集韻』『韻會』『正韻』枯瓜切、𠀤音夸。『說文』譀也。『玉篇』逞也。『廣韻』大言也。『史記・日者傳』多言誇、嚴莫大於此矣。『前漢・揚雄傳』誇詡衆庶。『晉書・成公綏傳』大而不誇。
又大也。『前漢・外戚傳』妾誇布服糲食。『孟康註』誇、大也。大布之衣也。
又『廣雅』誇誇、切切也。
又『集韻』通作夸。『前漢・楊僕傳』懷銀黃、夸鄕里。
又『韻會』或作侉。『書・畢命』驕淫矜侉。
又『集韻』區遇切、驅去聲。歌也。
又叶苦禾切、音科。『韓愈・讀東方朔雜事詩』頷頭可其奏、送以紫玉珂。方朔不懲創、挾恩更矜誇。
- 部・劃數
- 言部三劃
『集韻』誇古作𧥢。註詳六畫。
又人名。必𧥢、汝𧥢、見『宋史・宗室表』。
音訓義
- 音
- クヮ(漢) クヱ(呉) コ(慣)⦅一⦆
- ク(推)⦅二⦆
- 訓
- ほこる。ほこり。⦅一⦆
- 官話
- kuā⦅一⦆
- 粤語
- kwaa1⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・下平聲・麻・誇』苦𤓰切
- 『集韻・平聲三・麻第九・誇』枯𤓰切
- 『五音集韻・中平聲卷第四・麻第十七・溪・二誇』苦𤓰切
- 聲母
- 溪(牙音・次清)
- 等呼
- 二
- 官話
- kuā
- 粤語
- kwaa1
- 日本語音
- クヮ(漢)
- クヱ(呉)
- コ(慣)
- 訓
- ほこる
- ほこり
- 義
- 大言する。大袈裟に言ふ。誇張する。
- 誇示する。見せびらかす。
- 大きい。大まか。粗い。太い。
- 襃める。
⦅二⦆
- 反切
- 『集韻・去聲上・遇第十・驅』區遇切
- 『五音集韻・去聲卷第十・遇第八・溪・三驅』區遇切
- 聲母
- 溪(牙音・次清)
- 等呼
- 三
- 日本語音
- ク(推)
- 義
- 歌ふ。
解字
白川
形聲。聲符は夸。夸に跨越、誇張の意がある。
『説文解字』に譀るなり
とするが、『文選・長楊賦・注』に引く説文解字に誕なり
とあり、誇誕(補註: 出鱈目、大袈裟な出鱈目)の言をいふ。譀字條に誕なり
とあり、同義の字。
藤堂
言と音符夸の會意兼形聲。夸は大(人が大の字に立つたさま)と音符亏の會意兼形聲で、跨(大きく擴げた股)の原字。亏は于、大きく曲線を描くさま。誇は大袈裟に擴げた物の言ひ方のこと。
屬性
- 誇
- U+8A87
- JIS: 1-24-56
- 當用漢字・常用漢字
- 𧥢
- U+27962
関聯字
- 夸
- 夸を誇の簡体字に用ゐる。