友 - 漢字私註
説文解字
同志爲友。从二又。相交友也。
- 三・又部
古文友。
- 𦐮
- あるいは𦐯に作る。
亦古文友。
康煕字典
- 部・劃數
- 又部二劃
- 古文
- 㕛
- 𠬺
- 𦐮
- 𦫹
- 𦐯
『唐韻』云久切『集韻』『韻會』『正韻』云九切、𠀤音有。『說文』同志爲友。『禮・儒行』儒有合志同方、營道同術、𠀤立則樂、相下不厭、久不相見、聞流言不信、其行本方立、義同而進、不同而退、其交友有如此者。
又善于兄弟爲友。『書・君𨻰』惟孝友于兄弟。
又凡氣類合同者皆曰友。『司馬光・潛虛』醜、友也。天地相友、萬彙以生。日月相友、羣倫以明。風雨相友、艸木以榮。君子相友、道德以成。
又『韻補』叶羽軌切、音洧。『前漢・禮樂志天馬歌』體容與、迣萬里、今安匹、龍爲友。
- 部・劃數
- 又部二劃
『玉篇』古文友字。註見本畫。『說文』从二手相交。《徐曰》二手相順也。㕛有佐佑之義、故从二手。
- 部・劃數
- 又部六劃
『玉篇』古文友字。註見二畫。
- 部・劃數
- 艸部・二劃
『集韻』友古作𦫹。註詳又部二畫。
- 部・劃數
- 羽部・六劃
『五音集韻』古文友字。註詳又部二畫。
- 部・劃數
- 羽部・六劃
『集韻』友、古作𦐯。註詳又部二畫。
音訓
- 音
- イウ(漢) 〈『廣韻・上聲・有・有』云久切〉
- 訓
- とも。ともとする。
解字
白川
又と又の會意。
金文の字形は、双のやうに二又を竝べ、下に盟誓の器の曰を加へる形(補註: 以下では構成の近い𬁡を當てる。) につくることが多い。盟誓の上に雙方の手を置いて誓ふ形式を示すものであらう。説文解字の古文に𦐮(あるいは𦐮)に作るものは、その譌形と考へられる。
官友、官守友、法友のやうに、同僚の關係をいひ、同族の者には倗𬁡といふ。『書・君陳』に友于兄弟
(兄弟に友に)とは、倗𬁡の間の德をいひ、友情、友誼のやうに用ゐるのは、その擴大義。
藤堂
會意。庇ひ合ふやうに曲げた手を組み合はせたもの。又と音符又の會意兼形聲字と見ても良い。手で庇ひ合ふこと。轉じて、仲良く庇ひ合ふ仲間。
落合
會意。又に又を重ねる形。又亦聲。
甲骨文や金文では同格の者を意味して用ゐられてゐる。
甲骨文に、繫ぐことを表す橫劃を加へた字もあるが、地名として用ゐられてをり、別字かも知れない。幷の異體とする説もある。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 同格の者。《合集》6068・驗辭
七日己丑、微友化呼、告曰、[工口]方征于我奠豐。七月。
- 地名。(上記の橫劃を加へた字)
- 又と通じ、假借の用法で、有や侑の意味で使はれる。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は、兩手が同じ方向を向いて竝んでゐるさまを象り、甚だしきに至つては一纏めに繫げられ、以て友好を示す。又は亦た聲符である。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 人名に用ゐる。
- 讀んで侑となし、侑祭を表す。
金文での用義は次のとほり。
- 朋友、友好を表す。
- 趞曹鼎
用卿(饗)朋友
。 - 牆盤
隹(惟)辟孝友
。
- 趞曹鼎
- 同僚、官員を表す。
- 令方彝
乃寮與乃友
。
- 令方彝
- 人名に用ゐる。
- 侑と讀み、侑助を表す。應侯視工簋
卿(饗)醴,應侯視工友(侑)
。
漢帛書では通じて柔と讀む。《馬王堆・老子甲本》友弱勝強
を、乙本は柔弱勝強
に作る。
屬性
- 友
- U+53CB
- JIS: 1-45-7
- 當用漢字・常用漢字
- 㕛
- U+355B
- 𠬺
- U+20B3A
- 𦫹
- U+26AF9
- 𦐮
- U+2642E
- 𦐯
- U+2642F