把 - 漢字私註

説文解字

把

握也。从手巴聲。搏下切。

十二・手部

説文解字注

把

握也。握者、搤持也。『孟子・注』曰、「拱、合㒳手也。把、以一手把之也。」

从手巴聲。博下切。古音葢在五部。

康煕字典

部・劃數
手部四劃

『唐韻』博下切『集韻』『正韻』補下切『韻會』補瓦切、𠀤巴上聲。『說文』握也。『孟子』拱把之桐梓。『楚語』烝嘗不過把握。

又『廣韻』持也。『增韻』執也。『戰國策』左手把其袖、右手揕其胷。『史記・殷本紀』湯自把鉞、以伐昆吾。『前漢・王溫舒傳』擇郡中豪敢往吏爲爪牙、皆把其陰重罪、而縱使督盜賊。

又『釋名』把、播也。所以播除物也。

又『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤蒲巴切、音杷。與爬通。『前漢・貢禹傳』農夫捽草把土。《註》把、手掊之也。又『郊祀志』掊視得鼎。《註》掊、手把土也。

又批把、樂器、推手前曰批、引手後曰把。詳批字註。

又姓。『廣韻』本𣏌東樓公之後、避難改焉。西魏有襄州刺史把秀。

又『正韻』必駕切、音霸。與弝通。『禮・曲禮』左手承弣。《疏》弣、弓把也。『釋文』把音霸。手執處也。

『正字通』把與杷別。【韻會小補】通作杷。引【漢書】譌本、合把杷爲一、非。

音訓・用義

音
ハ(漢) ヘ(呉)⦅一⦆
ハ⦅二⦆
ハ(漢) ヘ(呉)⦅三⦆
訓
にぎる。とる。⦅一⦆
官話
bǎ⦅一⦆
bà⦅三⦆
粤語
baa2⦅一⦆
baa3⦅三⦆

⦅一⦆

反切
『廣韻・上聲・馬・把』博下切
『集韻・上聲下・馬第三十五・把』補下切
『五音集韻・馬第十七・幫・二把』博下切
聲母
幫(唇音・全清)
官話
bǎ
粤語
baa2
日本語音
ヘ(呉)
訓
にぎる
とる
義
手に握る、持つ、執る。
事物を掌握する、把握する。
たば。物を束ねたもの。
つか。柄。取つ手。
量詞。物の束、柄や取つ手のある物、一握りの量、手の動作、火に用ゐる。
概數を示す。おほよそ。
自轉車や手押し車のハンドル。
見張る。見守る。
與へる。
子供を抱へて排泄させる。
介詞に用ゐる。處置する對象を示すなど。
把子は、束、ひとつかみ、義兄弟、芝居で用ゐる武器、殺陣などの意。

⦅二⦆

反切
『集韻・平聲三・麻第九・爬』蒲巴切
『五音集韻・麻第十七・並・二爬』蒲巴切
聲母
並(脣音・全濁)
官話
pá
日本語音
ハ
義
爬に同じ。搔く。

⦅三⦆

反切
『康煕字典』引『正韻』必駕切 (去聲、音霸、與弝通)
官話
bà
粤語
baa3
日本語音
ハ(漢)
ヘ(呉)
義
弝と通じ、ゆづか。
つか。柄。取つ手。
把子は取つ手の意。

補註

取つ手の意について、音を⦅一⦆(上聲)とする資料と⦅三⦆(去聲)とする資料がある。

解字

白川

形聲。聲符は巴。巴は把手の形。把はその把手を持つ意。

『説文解字』に握るなりとあり、掌を以て握り持つことを把握、掌握といふ。

鳥獸のやうに、手足を捉へることを把捉といふ。

藤堂

手と音符巴の會意兼形聲。巴は、人が俯せて腹這ひになるさま。腹や手などの面を押し當てる意を含む。把は、掌をぴたりと當てて握ること。

落合

巴字條參照。甲骨文は、坐つた人の手を強調した形で、その初文の巴とされる。

漢字多功能字庫

手に從ひ巴聲。本義は握持。

控制(支配、制壓、抑制、制御)を表す。『晏子春秋・諫下十九』然則後世誰將把齊國。

見守ることを表す。宋・孫光憲『北夢瑣言』卷三洎荊州失守、復把潼關。

括つて成つた束のものを稱して把といふ。宋・蘇軾〈新釀桂酒〉酒材已遣門生致、菜把仍叨地主恩。

介詞に用ゐる。唐・李白〈清平樂〉應是天仙狂醉、亂把白雲揉碎。

量詞に用ゐる。(補註: 把手のあるものの數、一握りの量、抽象物、動作の回數に用ゐる。)『儒林外史』第47回兩把黃傘、八把旗、四隊踹街馬。

屬性

把
U+628A
JIS: 1-39-36
常用漢字