替 - 漢字私註
説文解字
廢、一偏下也。从竝白聲。他計切。
- 十・竝部
或从曰。
- 㬱
或从兟从曰。臣鉉等曰、今俗作替、非是。
説文解字注
廢也。各本奪也字。不可讀。今補。廢者、卻屋也。卻屋言空屋。人所不居。故𤾕廢同義。一偏下也。此又爲一義。相竝而一邊庳下、則其勢必至同下。所謂陵夷也。凡陵夷必有漸而然。故曰履霜堅仌至。从竝白聲。他計切。古音鐵。十二部。
或从曰。
- 㬱
或从兟从曰。从兟猶从竝也。兟見《八篇〔先部〕》。
康煕字典
- 部・劃數
- 曰部・八劃
『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤他計切、音剃。『說文』作暜。廢一偏下也。《註》徐鉉曰、今俗作替、非是。『爾雅・釋言』替、廢也。《疏》替謂廢己也。『書・旅獒』無替厥服。《傳》無廢其職。『詩・小雅』子子孫孫、勿替引之。《傳》替、廢也。
又『爾雅・釋詁』待也。
又止也。
又『爾雅・釋言』滅也。
又『集韻』『韻會』『正韻』𠀤他結切、音鐵。弛也。『潘岳・西征賦』隨政隆替。《註》替、音鐵。
又『韻補』叶才淫切。『屈原・離騷』長太息以掩涕兮、哀民生之多艱。余雖好修姱以羈鞿兮、謇朝誶而夕替。艱音勤。
- 部・劃數
- 白部・十劃
『唐韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤他計切、音剃。『說文』廢一偏下也。从竝白聲。或从曰作暜。或从兟作㬱。《徐鉉曰》竝立而一下也。俗作替、非。詳替字註。
- 部・劃數
- 曰部・十二劃
『說文』替或作㬱。
廣韻
- 四聲・韻・小韻
- 去聲・霽・替
- 反切
- 他計切
廢也、代也、滅也。
『說文』本作暜。廢一偏下也。
他計切、二十。
- 四聲・韻・小韻
- 去聲・霽・替
- 反切
- 他計切
並上〔註1〕同、出『說文』。
- 註1: 上は替字。
音訓
- 音
- タイ(呉) テイ(漢) 〈『廣韻・去聲・霽・替』他計切〉[tì]{tai3}
- 訓
- かはる。かへる。すてる。すたれる。
解字
白川
『説文解字』に廢するなり。一偏下る。竝に從ひ、白聲。
とし、また或いは曰に從ふ
といふ。また或いは兟に從ひ、曰に從ふ。
とあり、暜、㬱の二體とする。
竝は獄訟のとき二人相竝ぶ形で、曰はそのとき行ふ自己詛盟を收めた器を示す。神に誓約し、たがふときは神罰を受ける意。その敗者は替廢して棄てられるので、廢棄の意となる。
『左傳・僖七年』君盟替矣
(君盟替てられたり)、『國語・晉語三』君之冢嗣其替乎
(君の冢嗣、其れ替ぼされんか)のやうに用ゐる。
のち交替、隆替の意に用ゐる。
藤堂
夫(男)ふたりと曰(動詞の記號)の會意で、Aの人からBの人へと入れ替はる動作を示す。
漢字多功能字庫
替は古く𤾕に作り、異體を亦た㬱、暜に作る。傳世經典はみな替に作る。初義は廢除(廢止、廢棄)。『爾雅・釋言』𤾕、廢也。
郝懿行疏𤾕、通作替。
- 『書・大誥』
已、予惟小子、不敢替上帝命。
屬性
- 替
- U+66FF
- JIS: 1-34-56
- 當用漢字・常用漢字
- 𤾕
- U+24F95
- 㬱
- U+3B31
- 暜
- U+669C〔註1〕
- JIS X 0212: 34-53
- 暜︀
- U+669C U+FE00
- CJK COMPATIBILITY IDEOGRAPH-2F8D5
- 暜
- U+2F8D5 (CJK互換)〔註2〕