普 - 漢字私註
説文解字
日無色也。从日从並。徐鍇曰、日無光則遠近皆同、故从並。滂古切。
- 七・日部
説文解字注
日無色也。此義古籍少用。《衣部》袢下曰、無色也、讀若暜。㒳無色同讀。是則暜之本義實訓日無色。今字借爲溥大字耳。今『詩〔小雅・北山〕』溥天之下、『孟子〔萬章上〕』及漢人引『詩』皆作普天。趙岐曰、普、徧也。从日竝聲。《小徐本》如此。『韵會』同。竝古音同傍。暜从竝聲。又轉入虞模部。袢讀若暜。知暜古音亦讀若伴。以雙聲爲用也。滂古切。五部。
康煕字典
- 部・劃數
- 日部・八劃
『唐韻』滂古切、音浦。『說文』作暜、日無色也。《註》日無光則遠近皆同、故从竝。今隷作普。
又『廣韻』博也、大也、徧也。『易・乾卦』見龍在田、德施普也。
又姓。『姓氏急就篇』普氏、後漢十姓有之。
又『集韻』『韻會』𠀤頗五切、音溥。義同。
- 部・劃數
- 日部・十劃
『說文』普作暜。詳普字註。
音訓
- 音
- フ(呉) ホ(漢) 〈『廣韻・上聲・姥・普』滂古切〉[pǔ]{pou2}
- 訓
- あまねし
解字
白川
『説文解字』に日に色無きなり
とし、薄光の意とするが、その用例はない。また《段注》に字を竝聲とするが、聲が合はない。
古い字形がなくて確かめがたいが、字は恐らく曰に從ひ、盟誓に關するものであらう。曰は祝詞や盟誓の書を收める器。その蓋を少し啓く形で、「曰く」を原義とする。竝は二人竝ぶ形で、その當事者。立は人が正面して、その位置につくこと。竝は多くの人が列すること。その儀禮に參加するすべての人の意より、普遍の意となる。これと似た構造を持つ曹の初文は𣍘。東は(補註: ママ)爭訟のとき、束矢鈞金を橐(東)に入れて提出するので、㯥はその當事者。盟誓して獄を爭ふ、故に法曹の意となる。暜は𣍘と同じ造字法で、儀禮に參加する人をいふ。
藤堂
竝と日の會意で、竝は橫に擴がることを示す。日光が擴がることを表す。
漢字多功能字庫
日と並に從ふ。『説文解字』は以て本義を日の色の無きこと、つまり太陽の光有らざることとする。『説文解字』普、日無色也。(後略)
古書にこの用法は見えず。《段注》此義古籍少用。…今字借爲溥大字耳。
借りて溥大、廣大を表す。
- 『墨子・尚賢中』
聖人之德、若天之高、若地之普。
- 『文選・王子淵・聖主得賢臣頌』
所任賢、則趨舍省而功施普。器用利、則用力少而就效眾。
張銑注普、廣也。
また全面、普遍を表す。『玉篇・日部』普、徧也。
- 『左傳・昭公七年』引《詩》曰
普天之下、莫非王土。
- 『潛夫論・救邊』
聖王之政、普覆兼愛、不私近密、不忽踈遠。
屬性
- 普
- U+666E
- JIS: 1-41-65
- 當用漢字・常用漢字
- 暜
- U+669C〔註1〕
- JIS X 0212: 34-53